先週のステイヤーズSは、デスペラードが昨年に続いて2連覇を達成した。前走のアルゼンチン共和国杯では、鞍上の横山典騎手の進言もあり初めてブリンカーを着用。まさかの逃げ切りで話題になった京都記念の再現を目指したのだが、あのときとは違い息の入りにくいペースとなって直線はガス欠。掲示板にも載らない敗北となった。
結局、ブリンカーが効きすぎたのか。となると距離が3600mになるステイヤーズSでは当然ブリンカーをはずしてくるだろうと考えていたが、再度の着用。これも横山典騎手も進言だという。
「前走の大逃げはブリンカーのせいに思われるが、実はノリが自ら仕掛けていったもの。結局失速してしまったが、ノリは『これが次に繋がる。ブリンカーもそのまま』といったようなことを陣営に話したらしい」(関西記者)
そしてレースでは昨年同様好位置で脚を溜め、直線で抜け出し快勝。前走の何が今回に結びついたのかは分からないが、とにかく結果を残した。
「ノリに関しては任せっきりにするのが一番。現役の騎手で彼ほど頼りになる男は他にいないからね。デスペラードはかなり難しい馬だけど、ノリが乗ってから一年で重賞を3勝。他の騎手ならどうなっていたか」
業師・横山典騎手の本領発揮といったところだが、今週の阪神JFでは有力馬ココロノアイに騎乗。この馬もまた気性が難しい。
「アルテミスSは勝ったもののは、出遅れるわ向正面でガーッと行ってしまうわ、かなりロスの大きいレース。あの競馬で勝たせてしまうのが横山典騎手。他の騎手なら無理に引っ張って、能力を出せないまま終わったかもしれない。エピファネイアのスミヨンもそうだが、かかった馬を無理に抑えるなら、ある程度馬の行く気に任せたほうが結果はいいんじゃないかって思えるね。
今週のココロノアイで横山典騎手がどんな競馬を見せるか。能力は間違いなく高いから、彼が騎乗している以上、あんまり気性どうこうを気にせず馬券を買っても大丈夫じゃないか」(雑誌記者)
多くの関係者に高く評価されている横山典騎手だが、なぜか社台の評判馬やリーディング上位厩舎の馬に騎乗することが少なく、乗り馬に恵まれているとは言い難い現状。あまりにももったいないと思うのだが…。
(美浦ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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