長きに渡って朝日杯=中山が定着していたが、今年からコースが阪神に変更。同じマイルでも、直線が短い中山から直線の長い阪神に変わり、レースの性格も大きく変わりそうだ。
「中山の頃はスピード色が強く、ゴスホークケンのような逃げタイプのスピード馬が勝つこともあった。しかし阪神となると別。直線が長いうえに、ラストの1Fの時計がかかりやすい阪神は、それだけ馬場もヘヴィーだということ。今年出走予定のアクティブミノルやセカンドテーブルは、中山のほうが良かったというクチだろう」(雑誌記者)
阪神に変わることで、より地力勝負の領域が大きくなり、クラシック型の馬が活躍する可能性は大きくなった感もある。そこで注目されるのがアッシュゴールドだ。
「全兄がオルフェーヴル、ドリームジャーニーという超良血馬で、社台Fでも早くから『今年の一番馬』と評価されてきた馬。夏の新馬戦で大敗したときは心配したが、そこは社台F。しっかり作り直して休養明けの未勝利戦は快勝、デイリー杯2歳Sも外差しが効きにくい馬場で、外から差しての2着と勝ちに等しい内容を見せた。
はっきり言ってレースレベルは、ここ2戦も大したことは無い。だが兄のオルフェーヴルですら、重賞を勝つまで6戦かかったように、最初から派手な競馬は見せていないからね。
この馬自身もまだまだ未完成で、もし中山なら追走に苦労して終わってしまったかもしれない。ただ阪神のマイルなら、それほど速いペースにならず終い勝負になるので、現状のアッシュゴールドでも、地力で何とかなる。伸びしろという点では他のどの馬にも負けないと思うので、上昇力を加味すれば当然首位争いできる。
来年のクラシックを盛り上げるためにも、この馬にはいい形で進んでほしい」
上位人気必至のアッシュゴールド。でも人気馬は買いたくない。そんな穴党にお奨めなのはジャストドゥイングだ。新潟の芙蓉Sでは32秒0という記録的な上がりタイムをマークして勝利。しかし東スポ杯で大敗してしまい、周囲の評価は一気に落ちてしまった。それでも厩舎周辺の評価は全く変わっていない。
「前走は長距離輸送があったのにプラス12キロ。いくら成長期といっても、さすがに重かった。それもあってか中間は長めから調教をやって、前走とは違う内容だ。厩舎はこの馬でクラシックと考えているようだし、芙蓉Sまでの競馬なら十分期待していい。レース当日に再確認しなければならないが、馬体が締まっていれば馬券を買える」(栗東TM)
アッシュゴールド、ジャストドゥイングの他にも、前走乗りへぐって競馬になっていないナヴィオン、中間の調教から仕上がり十分のクラリティスカイ、好時計で前走快勝のダノンプラチナ、早めの栗東入厩でやる気十分のブライトエンブレムと多彩な顔ぶれ。新生朝日杯FSは、来年のクラシックを占う意味でも、そして馬券的にも面白いレースが期待できそうだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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