早くも来年のダービー馬が激突とされたガリバルディとオリハルコン。ところが、2着と4着に負けてしまった。しかも、そのレースで勝利したのが、クラリティシチー。オーナーは社台RH、G1レーシングと同じ一口クラブだが、大衆向けの友駿HC。シチーの冠名でお馴染みの老舗だ。
「クラリティ―シチー自身はキングカメハメハ×母父スペシャルウィークでパカパカファームの生産馬なので、出自は悪くないし、実際、募集の時からそこそこ話題になっていた馬だし、価格も2200万円とまずまずだった。ところが、ガリバルディは8000万円、オリハルコンは7000万円だからね。
両馬とも今後につながるレースだということにはなっている。ただ、やっぱり、失礼だけどシチーの馬に負けたのはイメージが悪いよね。誰かが調べていて話題になったんだけど、シチーの馬は新馬戦で08年以降5勝しかしていなかったらしいよ(出走103頭・競馬ウィキリークス調べ)」
しかも、今年の2歳世代は個人、クラブを問わず、社台グループの馬がころころと星を落としている。
「結局、馬房数が限られているのに、馬が上位厩舎に集中するという状況も影響しているよね。そのまま使っていればとか、もう少し乗り込んでいればということが全くないとはいい切れない。実際、敗れた良血馬は1本足りないなということは多かった。もちろん、新馬から全開に仕上げるところは少ないけど、それにしてもという仕上げはあると思うよ。
結局、スケジュールありきでデビュー馬が待っているし、既存勢力も回していかなきゃならない。デビューを1週ずらしたら、自分のところの別の有力新馬とぶつかるというような状況も生まれかねないからね。そうなるとローテーションはある程度決め打ちになってくる状況。当然、芝のマイル、中距離の新馬となればレース数も夏競馬では限られている」
オリハルコンとガリバルディがこのパターンに当てはまったとは言わないが、池江厩舎はサトノアラジンのデビューも直後に控えているのも事実(8月10日新潟芝1600m戦を予定、サトノアラジンについては本日付のニュースを参照してください)である。イマイチ結果を出せていない良血馬を抱えるリーディング上位厩舎の次の手に注目したい。
(馬産地ライター:青木)
栗東在住ライター:鷲崎
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