京成杯は関東馬が12頭、関西馬が5頭の出走だが、有力と見られているのは少数精鋭の関西馬のほうだ。
「ベルーフは、有力馬が並ぶ池江厩舎では地味な存在だったが、デビュー戦を快勝し、3戦目のエリカ賞も楽々差し切り。まだ子供っぽいところが多く残る段階で3戦2勝の成績に、厩舎の期待は益々高まっている。
クラージュシチーは2戦目の未勝利戦が10馬身差の大勝。前走は出遅れたせいもあり流れに乗れなかったが、未勝利戦を勝ったときに騎乗した菱田騎手に手戻りするので、未勝利戦の再現を狙う」(関西専門紙記者)
どちらも能力は高く、本来なら最有力と見て良かろう。しかし枠順発表で一変した。
「まさか大外と最内とはね。ベルーフは気性的に内よりは外のほうがいいが、さすがに17番枠となると控える競馬になるだろう。前走は後方から差す競馬になったが、馬場のいい今の中山では後方一気では届かない。それは鞍上も分かっているからある程度位置を取りに行くと思っていたが、この枠だと難しい。鞍上も頭を悩ますところだ。
クラージュシチーのほうは最内枠で、これが先行馬ならいいのだが、この馬はスタートに難がある馬。しかも不器用で、狭いスペースで巧みな競馬ができないタイプ。少々距離ロスを承知で外を進出したほうがいい馬なのだが、そうなると一度後方に下げないといけない。今の中山では、最後は届かないって形になるかも」(関西専門紙記者)
そうなると他の有力馬にチャンスがまわるが、人気上位が予想される他の馬にも不安はある。
「ホープフルSの上位馬も人気になるだろう。特にブラックバゴは前が有利な展開を差してきて3着。しかも前が開かず待たされた不利もあり、あれが無ければ2着はあったということも評価されている。でも人気薄の強みで、鞍上の戸崎が内ギリギリを通ったからこそ、あそこまで来れたとも言える。再度同じことをできるだろうか。また外を回したら、ある程度早めに脚を使うから、前走のような差し脚が使えるかも分からない。
それなら外から差してきて4着だったソールインパクトのほうが安心して買える。こちらは東スポ杯でも3着で、ある程度脚が使えるのは分かっているからね。ただ、その東スポ杯は早めに抜け出して、最後は差されて3着。この教訓から前走は脚を溜めたら、今度は届かず4着と脚の使い方が難しい」(関東TM)
これだけ上位人気に不安があるとなれば、人気薄を狙いたいところ。こんなメンバー構成だからか、穴候補を探ったらバンバン名前が挙がってきたが、面白そうだったのが次2頭だ。
「2番枠を引いたブライトバローズの巻き返しに期待したい。2戦目の未勝利戦は後方から差して快勝。前走は1番枠で好位置を取りに行ったせいか折り合いを欠いてしまった。だから度外視してもいいと思う。
今回も2番と内枠を引いたが、鞍上のベリーも前走と同じ過ちをするとは考えられず、逆に内枠を利して前を壁にし、脚を溜める競馬を試みるだろう。新馬のときと同じ競馬をすれば、チャンスはある」(競馬専門誌記者)
「2連勝の割に話題にならないタケルラムセス。母は重賞も勝ったヒシピナクルなのに、社台の馬じゃないせいか、イメージが地味だ。でも、そこが馬券的においしいところ。寒竹賞は勝ち時計も上がりもホープフルSよりも速いし、鞍上が横山典騎手というのもいい。前走前へ行って大敗したフォワードカフェ、マイネルシュバリエあたりは、今回あまり行きたくないクチ。積極的な馬が少なく展開が読めないような時は、横山典騎手が大きな武器になる」(雑誌記者)
波乱の機運高まる京成杯。ブライトバローズ、タケルラムセスで一発穴を狙うのも一考だ。
(美浦ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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