今年のフェブラリーSはホッコータルマエの出走がはっきりしておらず、完全に出走を表明している馬で本当に有力と思えるのはコパノリッキーのみ。そのため根岸Sの重要性が例年以上に高くなっていた。人気はともかく、注目度がもっとも高かったのは皐月賞馬ロゴタイプの参戦。この馬が初ダートであっさり勝てば、新たなダートチャンピオン候補誕生となったのだが、好位追走から伸びきれず8着。勝ったのは1番人気のエアハリファだった。
「武蔵野Sは2着といっても、展開を考えれば内容はエアハリファが一番だった。ただ1着と2着の差は大きく、賞金不足でチャンピオンズCは出られなかった。
今度こそ目標のGⅠフェブラリーSに出るには、根岸Sを勝たねばならない。だから陣営も必死の仕上げだったよ。ただレースでは、せっかく好位置を取ったのに三浦騎手が番手を下げてしまい、直線でも狭いところに入ったからヒヤヒヤしたよ。終わってみれば楽勝だったが、心臓に良くないレースだった。
1400mよりもマイルのほうがいいから、フェブラリーSも当然有力。馬自身も以前に比べて肉付けが良くなり、GⅠを勝ってもおかしくないところまで成長してる。あとは乗り方。コパノリッキーやホッコータルマエを相手に、あんなにノンビリ構えていたら届かないよ」(関東TM)
次はさすがに乗り方も考えてくるだろう。GⅠに強い角居厩舎だけに、エアハリファは本番でも有力な存在だ。
2着のワイドバッハは、チャンピオンズCでも最後に物凄い脚を使った馬。根岸Sでも終いの伸びは目立ち、本番でもチャンスはある。ただ鞍上の武豊騎手がコパノリッキーに乗ってしまうと、こちらは誰が乗るのか。GⅠでの手替わりはマイナスだ。
そして大敗したロゴタイプは早くもダートに見切りをつけ、次は芝の中山記念に出走予定。これが賢明という声は関係者の間でも大きかった。
京都では、高松宮記念へ続くシルクロードS。いつものようにアンバルブライベンが軽快に飛ばすと、最後まで危なげなく逃げ切り。京阪杯に続く2つめの重賞勝ちとなった。
「前回はエイシンブルズアイに捕まったが、あのレースは牝馬で57キロと厳しかった。今回は1・5キロ減って55・5キロになったのは大きかった。勝った京阪杯は極端な先行馬有利の馬場、2着の淀短距離Sは超スローと、いつも楽なレースに恵まれて好走しているイメージが強いが、今回は先行馬を潰しての逃げ切りだから文句無し。かつては脆い内容も多かったが、精神面が強くなってレースも安定してきた」(関西記者)
高松宮記念には、昨年の覇者コパノリチャードやミッキーアイルなどGⅠを勝っている逃げ馬が出てくるので楽ではないが、この馬の参戦でレースが更に引き締まることは間違いない。
2着のサドンストームはまたしても差して届かずの結果だったが、近走は安定しており、ハイペース必至の高松宮記念では面白い存在になってきた。
1番人気のエイシンブルズアイは見せ場なく大敗。前走は2番手からの抜け出して1200mにも慣れたように思えたが、それはスローペースだったためか。ペースが上がった今回は好位置を取ることができず、最後も伸びが見られなかった。「そろそろ1200m戦に見切りをつける必要も」という声も一部あるのだが…。
他のレースでは、3歳戦で楽しみな馬が続々勝ち上がった。クロッカスSでは、ニシノラッシュが差し切り。ハイレベルの新潟2歳S3着で期待は高かったが、京王杯2歳Sは位置取りの悪さで3着。今回も1番枠が響いたか直線で前が壁になって動けず、外へ出したがそこも壁になり、再度外に出すという無駄なシーンが多かった。それでも勝つのだから能力は高い。NHKマイルCへの路線で大暴れすることだろう。
セントポーリア賞では、良血ドゥラメンテが圧勝。競馬場では、「クラシックはこの馬だろう」という声もアチコチから挙がっていた。これは大物だろう。
ダートでも面白い馬が2頭。東京のダートマイルの500万はゴールデンバローズが1分35秒台という速い時計で楽勝。UAEダービー挑戦も視野に入って来た。
京都のダート1800mの500万戦は、話題の白毛馬ブチコが好タイムで楽勝。姉のユキチャンが勝った関東オークス姉妹制覇も見えてきたが、その前に陣営は芝のチューリップ賞に挑戦。ダート2連勝前には芝で負けているが、その後の成長もあり、芝でも楽しみである。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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