桜花賞の前哨戦として最も重要なのがチューリップ賞。ここ3年の桜花賞勝ち馬も、チューリップ賞をステップに本番を勝利している。
その桜花賞は、4年連続ディープインパクト産駒が勝利し、2、3年前は1、2着を独占している。しかも2年前はアユサン、レッドオーヴァルとディープ産駒は2頭しか出走していなかったが、それでも上位独占。そして昨年もディープ産駒はハープスター一頭で勝利している。
ここ4年の勝ち馬には、全てディープ産駒にプラスし、もう一つの条件がある。それが450キロ以上であること。これまで桜花賞にディープ産駒は10頭出ているのだが、このうち450キロ以上の馬体重があったのはマルセリーナ、ジェンティルドンナ、アユサン、ハープスターの4頭。そのすべてが勝利を収めているのだ。
「桜花賞に450キロ以上のディープ産駒が出てきたら、頭から買い」
ファンの間では、これが定説になりつつある。
阪神JFを勝って桜花賞候補に伸し上がったショウナンアデラは、470キロ前後の馬体を持ち、この時点で「桜花賞は決まった」という声も出た。
だが今年は様相が違う。他にも桜花賞を狙えるディープ産駒で、450キロをクリアしそうな馬がいる。それがクルミナル、コンテッサトゥーレの2頭である。
クルミナルは新馬戦を496キロで快勝。2戦目のエルフィンSも494キロで出走。楽なレースで2連勝し、桜花賞へ向けて猛アピールしている。
コンテッサトゥーレのほうはデビュー戦こそ440キロしかなかったが、2戦目の紅梅Sでは8キロ増え448キロと、450キロに接近してきた。このレースでは、出遅れながらディープ産駒らしい末脚で差し切り。社台Fの吉田照哉氏も力を入れているだけあって、かなりの能力を感じさせる。
この2頭がチューリップ賞に出走。2戦2勝同士の対決が見ものになっているが、馬体重も含めて、桜花賞へどのよう形で向かうことになるのか。特に前走で450キロ目前だったコンテッサトゥーレの馬体重は注目だ。そして本番では、恐らく馬体重はクリアしているショウナンアデラとの対決がどうなるのか。
といっても今年は怪物ルージュバックの存在で、「450キロ以上のディープ産駒は桜花賞全勝」の定説も、ついに壊れるという話もあるのだが…。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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