こう話すのは栗東の某調教師。取らせてやりたいというのは現在武豊騎手がトップに立っているサマージョッキーズシリーズである。武騎手は札幌記念をトウケイヘイローで勝って43ポイントとしたものの、先週は土日とも重賞のない小倉で騎乗したためポイント加算無し。いっぽう土曜のエルムSをフリートストリートで勝った内田騎手が日曜新潟記念を含めてポイントを加算して2ポイント差の41ポイント。またエルムS2着、キーンランドC4着の岩田騎手も38ポイントと差をつめている。
このサマージョッキーズシリーズは2007年に創設。優勝騎手には12月に行われるワールドスパージョッキーズシリーズの優先出場権が与えられる。かつてはワールドスーパージョッキーズシリーズの常連だった武騎手は2009年を最後に出場できておらず、サマージョッキーズシリーズのチャンピオンになって出場させたいと応援する関係者は少なくない。
「やっぱユタカとそれ以外の騎手だと、競馬に詳しくない人からの知名度が全然違うもの。今年の凱旋門賞だって、世間からは去年以上に注目されてるでしょ。もちろん全盛期とまではいかないけど、競馬界のことを考えるとまだまだ頑張ってほしいよ」
さて、サマージョッキーズシリーズにはこんな苦言もある。別の調教師はこう語る。
「前はサマーシリーズ(スプリント、2000)のレースだけが対象だったからわかりやすかったけど、今は2歳とかダートなんかも含まれている。これじゃ普段のリーディング争いと変わらないし、ワールドスーパージョッキーへの出場云々も意味ないでしょ」
たしかに函館、小倉、札幌とサマー2000シリーズで3勝した騎手がチャンピオンになれなかったら、それはそれでサマーシリーズのイベントとしてはイマイチ。このあたりは改善を望みたいものだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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