菊花賞馬のトーホウジャッカルがアクシデントで回避したため、ゴールドシップが3連覇なるか、その一点が注目となった阪神大賞典。レースは早めに抜け出したゴールドシップが、追いすがるデニムアンドルビーを抑え、見事に3連覇となった。
「2連覇というのはよく聞くが、3連覇はエリモハリアーの函館記念と、タップダンスシチーの金鯱賞くらいしか思いつかない。いくら適性が合うとはいえ、3年間同じ状態、同じ能力ということも無いだろうし、これは難しいよ。非常に価値が高い記録だ」(関西記者)
と讃えながらも不安を口にする。
「過去2年に比べると、中身はかなり落ちている。今の阪神は馬場も例年以上に重く、阪神大賞典はスタミナとパワーが要求される厳しい条件だった。ラブリーデイやラストインパクトなど人気上位馬は、こうした馬場に向くとは言えない馬。2着のデニムアンドルビーも能力で2着に来たが、適性は違うだろう。唯一状況に見合うと思われたフーラブライドは仕上がりが足りず8分程度のデキ。こうなったらゴールドシップの独壇場で当たり前。なのに、それほど派手な勝ち方じゃなかった。戦前は先に行くと話していたが、スタート後なかなか行けなかった。心身ともに衰えが見えてきた気がする」
こうした話は、他の関係者からも聞こえてきた。この先のローテーションがはっきりしないが、どこの路線へ行くにしてもゴールドシップは買い被らないほうが良さそうだ。
さて2着以降を見ると、目立ったのはデニムアンドルビーだ。
「昨年は6戦全てがGⅠ戦。秋はエリザベス女王杯に行けば好勝負できたかもしれないが、同じ厩舎のラキシス、ディアデラマドレ、キャトルフィーユと3頭出走したせいか、この馬は牡馬の厳しいところと戦った。そのせいで結果が悪かったが、今回のレースでまだまだ力があるところを見せつけた。決してスタミナ競馬がいいわけではなく、瞬発力を生かせる競馬のほうが得意。この先、そうしたレースが少ないのは困ったものだが」
ヴィクトリアマイルは短く、春の天皇賞は少々長い。今年もローテーションに困りそうである。3着以下はどうか。
「ラストインパクトは陣営が距離を心配していたが、重い馬場でのスタミナ競馬は菊花賞の時もそうだったように得意ではなさそうだし、離された3着も仕方なかったか。叩き台としてはいいレースだったし、高速馬場の天皇賞・春なら好勝負できるのではないか。
ラブリーデイは、中山金杯が示すようにスピード型の馬。これまでも目黒記念など長距離では負けており、スタミナ勝負は分が悪い。中距離路線に戻れば巻き返せる。ただピークの短い馬が多いキングカメハメハ産駒だから、まずは休ませたほうがいいかも」(栗東記者)
2着以下の馬は、それぞれ自分に適したレースで再度好勝負を期待したい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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