春の天皇賞の前哨戦・日経賞が土曜日に行われ、アドマイヤデウスが抜け出して快勝。これで日経新春杯から重賞2連勝となった。勝ちっぷり、時計ともに申し分なく、天皇賞でも好勝負できる存在だ。
問題は実績馬の2頭。GⅠ2着4回、昨年の日経賞を圧勝したウインバリアシオンは、ここ2戦の大敗から復活気配を示す2着。天皇賞・春2連覇中のフェノーメノは、見せ場もなく終わった。これをどう見ればいいのか。
「ウインバリアシオンは、ここ2戦とは状態が違うという話だったが、その通り近走大敗から上昇し2着に入った。ただ、これで完全復活というと、そこは微妙なところだ。勝ち馬に申し訳ないが、ウインバリアシオンが万全だったら勝てるレース。今回は福永騎手の好騎乗もあっての2着で、まだまだこの馬らしい末脚は蘇っていない。ただ走る気が戻ってきたのは良かったが。
天皇賞へ向けて更に上昇が見られないと、悲願のGⅠ制覇は難しいだろう」(関西記者)
惨敗に終わったフェノーメノのほうは、昨年も同レース5着の後、一叩きで大変身し天皇賞を優勝。今年も同じ流れになるのか。
「昨年の日経賞は宝塚記念以来で、いかにも休養明けという仕上がりだった。今年は秋3戦を使っての出走で、状態は昨年より良かった。その結果が昨年以下だから、やはり馬がピークを過ぎてしまったのか。天皇賞は2連覇しているようにコース適性が高いから要らないとは言わないが、さすがに今年はきついのでは」(美浦関係者)
この話を聞いた限りでは、2頭ともに本番の天皇賞は微妙な感もある。それに比べ、負けても本番に向けて評価が上がったのはサウンズオブアースだ。
「いつもはかかり気味に行くのに、テンションが高かった割には、珍しく後方でノンビリ走っていた。これが最後に祟り直線で前が壁になり、追い込み届かず4着に終わってしまった。脚を余したが、本番を考えれば逆に良かったし、3200mも今回ように落ち着いて走れればチャンスはある。今年のメンバーなら、菊花賞だけ走れば上位に入れるだろう」(競馬専門誌記者)
長距離は経験のあるベテランを買いたくなるが、今年はフレッシュな4歳勢サウンズオブアースやアドマイヤデウスが優勢の流れのようだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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