桜花賞馬レッツゴードンキの参戦こそ無くなったものの、マイル路線組に王道路線組(皐月賞ライン)も加わり、なかなか華やかなメンバーになってきた。この2つの路線では、どちらが優勢なのか。
「本来、NHKマイルCに向かう路線は、ニュージーランドT、ファルコンS、アーリントンCとなる。ここ4年の勝ち馬のうち、グランプリボス、カレンブラックヒル、マイネルホウオウはニュージーランドTから、ミッキーアイルはアーリントンCから来ているから、最近はこちらのほうが優勢。ただ今年は微妙なところだ。ニュージーランドT、アーリントンCともにレースレベルは高くなく、上位馬で狙えるのはニュージーランドTで出遅れて脚を余す競馬になったグランシルクくらいじゃないか」(元関西専門紙記者)
これに対して評価が高いのは王道路線組のほうだ。
「ダービーから転換して、こちらにまわってきたクラリティスカイは賢明な判断だと思うよ。皐月賞は決して楽な逃げではなかったが、大きく崩れず5着。上位2頭には離されたが、キタサンブラック、ブライトエンブレムには少差だし、サトノクラウンに先着は大したものだよ。
このコースは、いちょうSでレコード勝ちしているし、朝日杯3歳Sでも3着とマイルは強い。東京も3週目くらいになると内目の馬を通る馬が有利になってくるし、去年もそうだった。好位で競馬ができるので、この馬には合う」(競馬専門誌記者)
皐月賞には出ていないが、スプリングSまでは王道路線を歩むと思われたミュゼスルタンも一叩きして更に良くなってる。
「さすがに長期休養明けのスプリングSはきつかったが、大外を捲って来た脚は見どころがあった。直線でガス欠を起こしたのは、息が持たなかったので仕方がない。マイルの適性は新潟2歳Sで証明済み。このレースは歴代でもかなりハイレベルな内容だったから、ハナ差でも価値は高いよ。正直、皐月賞やダービーでは厳しいと思っていたので、NHKマイルCに狙いを変えたのは正解」(美浦トレセン関係者)
となると、新潟2歳Sでハナ差2着したアヴニールマルシェも当然有力視されるが、こちらは少々不安があるようだ。
「普通に走れば勝ち負けできる馬だが、仕上がり面で不安がある。共同通信杯から間隔が開いており、できればビッシリやってほしかったが、1週前の追い切りはウッドで4Fから56秒3-14秒8(馬ナリ)と軽いもの。4月から本数はやっているし、藤沢厩舎だから大丈夫っていう人もいるけど、GⅠ前にこれはどうなのか」
クラシック路線を歩もうとしていたクラリティスカイ、ミュゼスルタン、アヴニールマルシェ。これにマイル路線組からはグランシルクといったあたりが上位を形成しそうな今年のNHKマイルCだが、アヴニールマルシェのみは、直前調教をしっかりチェックしてから馬券に入れるか考えたい。
(美浦ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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