土曜日に行われた京王杯SCは、1400mとは思えぬ超スローペースになり、ゴール前は大混戦。先行勢が粘りそうな雰囲気だったが、中団からサクラゴスペルが抜け出し、オーシャンSに続く今年2つ目のタイトルを奪取した。
「ワンテンポ遅らせる感じで仕掛けて、最後は測ったように差し切ったのはオーシャンSと同じ。戸崎騎手は、この馬の適性をよく掴んでいる。安田記念は以前に5着があるが、今年のメンバーなら、もっと上を狙える」(関東記者)
と安田記念へ向けて流れを掴んだようだが、この馬以上に関係者間で評価を上げたのは、2着のヴァンセンヌだ。
「ここまで4連勝しているが、時計のかかる馬場ばかりで、速い時計の決着に疑問符がついていた。しかも今回は初の1400m。いくら母が名スプリンターのフラワーパークでも、経験が無いことは不安だからね。しかし最後は32秒台と、これまでに無かったような瞬発力を駆使して2着入線。これで不安払拭どころか、この脚があるなら時計が出る馬場のほうがいいんじゃないだろうかって気もしてきた。鞍上の福永騎手は、いかにも本番を意識した乗り方で、これで結果が出たのも良かった。安田記念はかなり有力だよ」(専門誌記者)
母フラワーパークと距離は違うが、親子GⅠ制覇も見えてきたようだ。
可哀想だったのはダンスディレクター。2番枠ということで内ラチ沿いをピッタリ回り、手応え十分でいつでもゴーサインを出せる態勢にあったが、超スローペースで前が止まらず、いつまでたっても隙ができない。どこかで一瞬でも間ができれば一気に差し切る瞬発力を持っているのだが、その一瞬すらないままレースが終了。全く競馬にならなかった。
「末脚はめちゃくちゃ切れるんだけど、折り合いを気にして追い込み一辺倒の競馬ばかりだから、どうしてもこのようなことは起きてしまう。追い込み馬は不利を食らう確率が高いから、今後も似たようなことは起きるだろう。2戦目から前走まで11戦連続で1番人気になったように人気が過剰気味の馬。馬券は買いにくいよ」
今回は敗因がはっきりしているので、恐らく次走も上位人気になるだろう。能力は高いので重賞でも好走できるが、馬券を買う際はリスクも考え、人気と相談する必要もあるだろう。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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