阪神開幕の日に行われたマイルの新馬戦は例年好メンバーになるが、今年もセレクトセールで高額だったミッキーアイル、ライザン、坂路で51秒台を出したゴーナミノリなど楽しみな馬が並んだ。レースは新馬戦らしく超スローペースとなったが、うまく折り合い脚を溜めていた池江厩舎のアトムが直線で末脚を爆発させ、最後はミッキーアイルを差しきった。
これで池江厩舎の2歳馬は6頭デビューし、4頭めの勝利。負けた2頭も新馬2着のゼンノブローアップ、4着のオリハルコンと悪く無い結果だ。
この結果だけ見ると、池江厩舎は2歳戦からバンバン勝負を懸けているように見えるが、実際はそうでもないようだ。
「アトムは、入厩した当初は評価があまり高くなかったが、調教を積む毎に反応が良くなり、評価も上がっていていた。とはいえ、CWで5F70秒程度の時計ばかり。まだ太いこともあり、初戦からはどうかと思っていた。しかも相手もいい馬ばかりだったからね。それがアッサリと新馬勝ち。
実は1週前の新馬を勝ったプリンスダムも、モサッとしていて叩いてからという話だったが、これも追い込み勝ち。評判のサトノアラジンだって、初戦は8分程度で楽勝だからね。池江厩舎の馬は、やっぱり資質が違うんだよ」
とは栗東の記者。
以前の池江厩舎の馬は、新馬戦は勝つものの、仕上げきっている馬も多く、その後苦戦するケースもあった。しかし最近は、調教が1、2本足りない状況で出走することもあり、以前のように新馬戦で絶対という存在では無くなったと思われたが大違い。相変わらず新馬戦は強かった。
ただ重要なことは、前とは仕上がりが違うこと。今の池江厩舎の新馬勝ちの馬は、2戦目、3戦目で更に変わり身が見込めるということだ。
「サトノアラジンに、アトム、プリンスダム。この後もまだまだ期待馬が秋になって出てくる。来年のダービーは池江厩舎の馬が複数出ているんじゃないの」(栗東記者)
来年のクラシックは池江祭になるのか。この後にデビューする池江厩舎の2歳馬も期待大だ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
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