小倉記念は菊花賞に直接結びつく重賞ではないので、古馬による争いが目立つレースだが、今年は違う。3歳の実力馬ベルーフが出走を予定しているからだ。
新馬を勝った後、百日草特別こそルージュバックに敗れたものの、エリカ賞、京成杯と連勝し、クラシック候補の一頭に数えられた。たがスプリングS4着、皐月賞は12着と敗れると、連戦による疲れのため休養入り。大目標のダービー出走はならなかった。
「デビューから4戦で3勝。成績だけ見ると安定しているように見えるが、実際には気性が激しく、調教でもレースでも難しい馬。そんな状況で早々と重賞を含む3勝もしたのだから能力は高い。皐月賞の大敗をみんな気にするだろうが、このレースではダッシュがつかなかったうえに、他馬とぶつかって落鉄するなど散々な競馬になった結果の12着。だから参考外にしていい。
大目標のダービーを使えなかったのは残念だが、そのぶんを取り返すためにも、ここは勝ちたいところ。そもそも賞金を持っているのだから、菊花賞が目標ならトライアルから使えばいい。なのに、わざわざ菊花賞に直結していない小倉記念を使うのだから、勝算はあるはず。池江厩舎は、以前にも3歳馬のラブリーデイを使い2着と好走させているから、仕上げは分かっている。名手パートンが騎乗することから、馬券になる確率は高い」(関西専門紙記者)
これに対し、古馬の筆頭格はメイショウナルトか。2年前の小倉記念は1分57秒1のレコード勝ち。昨年は57・5キロを背負いながら3着に入っている。前走の七夕賞が57キロで4着なら、今回ハンデが上がることは考えられず、昨年より0・5キロでも軽くなるのは大きい。そしてここ2戦より大きく有利になるのは、あの馬の存在がなくなるからだ。
「本来なら逃げる競馬をしたいのだが、ここ2戦はトウケイヘイローがいたので2番手に抑える不本意な競馬。それでも七夕賞は4着なのだから、得意な夏になって調子を上げている。今回はトウケイヘイローがいないので、逃げられる可能性は大。しかも得意な小倉コースで、勝機は高まっている」(栗東記者)
穴っぽい話では、ゼンノルジェロが気になった。
「ここ9戦が全て二桁人気と支持が低いのですが、それでも1着と2着が一度ずつあります。特に2着は昨年の博多S10番人気のもので、小倉記念と同じ2000m。この時は1分58秒台の速い時計で走っています。前走の七夕賞も8着ですが、メイショウナルトとはコンマ2秒差。馬主さんを考えても勝負は小倉のはずですし、先の結果から適性もあります。一発狙うなら、この馬しかないでしょう」(競馬専門誌記者)
ベルーフ、メイショウナルト、穴でゼンノルジェロ。小倉記念は、この3頭に注目したい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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