夏開催が終了し3週間ほど。滞在競馬の北海道から戻ってきた騎手や厩舎関係者なども、長期の出張生活からようやく普段のトレセン生活に慣れてきたところだろうか。実はそんな彼らが陥るのが、″浦島太郎″とでもいうべき現象である。
「出張に行く前の感覚で動いていたら、調教施設や厩舎設備が改修されたりして結構戸惑ってしまうことがある。それだけならいいけど、人や馬も変わってるからな。下手やなぁって思っていた厩舎の後輩が調教を上手くこなせるようになっていたり、イマイチって思っていた馬が急に力をつけたりして、驚くことが多々ある。久しぶりに会った人に昔のノリで話したらポカーンっていう顔をされることもある」(栗東の厩務員)
たしかに3ヶ月以上トレセンを留守にしていれば、このような状況になっても仕方がないのかもしれない。もっとも夏シーズンもトレセンに残っていたスタッフが、北海道帰りの人や馬の変化に驚くこともあるようだ。とある持ち乗り助手こう話す。
「この春に出された本で″ジョッキーに未練はない″″いつ引退してもいい″って書いてた某騎手に″辞めるまでに僕の馬に乗ってくださいね″って話したら苦笑いされた。それで北海道に行っていたベテランさんに聞いたら″アイツは来年札幌が新装オープンするまでやめへんらしいで″って言われましたから…」
日々動いているトレセン。変化についていけないのはマスコミだけでなく厩舎関係者も同じようだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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