秋華賞、菊花賞、天皇賞・秋とGⅠが3週連続で行われてきたが、今週はお休み。そして来週のエリザベス女王杯から暮れの有馬記念まで7週連続でGⅠが続く。では、ここで一休み、とならないのが競馬ファンの性。今週はGⅠこそ無いものの、重賞は4レース組まれ、メインはGⅡのアルゼンチン共和国杯。一番重賞を勝っている馬でもサトノノブレスとフラガラッハの2勝と、かなり低調なメンバーにも見えるが、そのぶん混戦模様でハンデ戦である
ことも踏まえると、かなり馬券的に面白いレースとなった。
実績は当然、重賞2勝で菊花賞2着のサトノノブレスだが、近走は二桁着順が3戦続いていて不振だ。それもあってか、ここは実績よりも上昇度を買われている馬が多いようだ。その中心がゴールドアクターである。
「重賞勝ちが無いと言っても、昨年の菊花賞は3着で、すぐに重賞を勝てるだけの力はあった馬。ただ1年近い休養に入ってしまったからね。復帰戦となった1000万の洞爺湖特別は力の違いで楽勝。その後オールカマーに登録し、勝ち負けできると思ったが、ここは回避して間隔を開け、前走の1600万オクトーバーSを完勝した。このときは格上げ初戦なのに、トップハンデの57・5キロ。本来なら、格上げ初戦の馬がこんなハンデになることは無いのだが、それだけJRAもこの馬の力を買っているということだ。レース自体も強く時計も良かったし、間隔を開けたことで疲れも見えない。いよいよ重賞勝ちは目前で、来年は春の天皇賞を狙えるところまで行けるのでは」(関東記者)
と、全体的に評価は高い。
ただ、同じく長期休養からの復活では、プロモントーリオを挙げる関係者も多い。
「ダート戦を走っていた頃は目立たなかったが、芝で変身した。4歳春にはオープン特別でラブリーデイの2着しているし、続く目黒記念は時計差無しの3着。これなら重賞勝ちも時間の問題と思っていたら、故障で長期休養してしまった。
前走のオルフェーヴルメモリアルは1600万にしてはメンバーが弱かったけど、それでも1年4か月ぶりのレースだし、まずは叩いてからと見るのが普通でしょう。それが最速上がりで差し切りだから驚いたよ。改めて能力の高さを確認したわ。
さすがに反動が怖いが、調教を見る限りしっかり動いているし、前走がタフなレースでは無かったから、それほど心配する必要はない。まあ不安があったら使わないしね」(美浦トレセン関係者)
他では一叩きして2戦目の馬の評判が高い。
「美浦ではスーパームーンですね。前走は遠征競馬から帰国しての初戦で元から叩き台。今回が目標なので、順調に良化しています。昨年のアルゼンチン共和国杯も3着ですが、昨年の勝ち馬(フェイムゲーム)ほどの強い馬がいないので、更に上を狙えます。
栗東ではレコンダイト。これも前走は競馬になっていないので度外視していいです。2着した目黒記念と同じ舞台の今回が勝負と見定めているはずですよ。
先行馬ではメイショウカドマツの巻き返し。先行馬が多かったオールカマーは逃げられませんでしたが、今回のメンバー構成なら先手をとれます。ダイヤモンドSで3着、展開が厳しかった春の目黒記念でも4着に粘っており、東京の長距離でスンナリ行けたら怖いですよ」(競馬専門誌記者)
このあたりの叩き2戦目組も面白いが、やはり魅力を感じるのは長い休みから目覚めたゴールドアクター、プロモントーリオ。特に反動の不安が少なそうなゴールドアクター優勢と見る。
(美浦在住ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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