オールカマーを勝ったショウナンパンドラ、秋華賞を勝ったミッキークイーンがともにジャパンCへ向かったため、ちょっと格落ちした感のある今年のエリザベス女王杯。更に前哨戦の府中牝馬Sも人気薄のノボリディアーナが勝ち、混戦模様に拍車がかかっている。
人気は昨年のワンツーであるラキシス、ヌーヴェレコルトの争いか。
「ラキシスは大阪杯でキズナら牡馬の強豪を捻じ伏せて、今年の牝馬の主役という印象を残したんだけど、その後が8、5、4着と全て馬券圏内に入ってない。敗因はそれぞれあるが、信頼しにくいのは事実。それでいて負けても負けても人気が落ちないので、馬券でおいしい馬じゃない。
それはヌーヴァレコルトも同じ。こちらも中山記念でイスラボニータ、ロゴタイプの皐月賞馬2頭を蹴散らし牡馬勝りのイメージをつくりあげたが、ヴィクトリアマイルが1番人気6着、宝塚記念が3番人気5着と、どちらも馬券圏内には入れず、人気先行タイプ。秋初戦のオールカマーで2着したけど内を衝いたもので、外から差してきたショウナンパンドラに完敗は不満だった。
2頭ともに京都の2200mは合うし、相手関係を考えると馬券になる確率は高いが、どうせ人気だし、頭から買う気にはなれない」(栗東元専門紙記者)
このように、人気2頭を有力としながら、物足りなさを感じる関係者は他にもいるようだ。
ならば注目は3歳馬。気になるのはルージュバックだろう。ミッキークイーンが圧倒した今年の牝馬クラシック戦線だが、もともとはルージュバックの評価が抜けていて、きさらぎ賞で牡馬を圧倒したときは、「牝馬3冠確定」、「ダービーだって行ける」という声もあったほど。しかし断然人気の桜花賞で大敗し、オークスは2着。札幌記念を目指すも熱発で回避し、結局秋華賞も間に合わず、エリザベス女王杯が復帰戦となった。
「体質に問題があるのは変わっておらず、オークス後も2度熱発を起こし、秋華賞も間に合わなかった。エリザベス女王杯もようやく間に合ったという印象で、追い切りの動きもイマイチ。あと一本でどこまで良くなるか」(美浦関係者)
と不安の声。ただ一方では、こんな声も。
「桜花賞の後に調子を崩し、オークスは間に合わないという噂が流れました。実際天栄(ノーザンFの外厩)から美浦トレセンに戻ったの規程のギリギリで、オークス前の速い調教は一本だけ。GⅠとしては異例の臨戦過程で、多くの関係者が『要らない』と言っていました。それでもミッキークイーンの2着に入ったのですから、やはり能力は高いです。今回も不安説は出るでしょうが、簡単に切ってしまうのは怖いですよ」(競馬専門誌記者)
オークスに続いて、またしても扱いに困るルージュバックだが、最終的にはオッズとの相談。それぞれの感覚で、思っている以上に人気だったら切り、予想以上にオッズがついたと思ったら買い、という狙い方でいいのではないか。
人気馬の不安ばかり書いてきたが、逆にここで狙い目になる馬はいないのか。
「3歳馬ではタッチングスピーチの逆襲でしょう。秋華賞は、ローズSの反動か直前の気配も良くなかったですし、レースでもごちゃついてスムーズな競馬ができませんでした。内回り2000mから外回りの2200mに変わるのはプラスです。
それからフーラブライドは、鼻出血明けの前走を叩いて、馬は良くなっています。ここが引退レースになる予定なので、思い切り勝負してくるのでは」(競馬専門誌記者)
他にも候補馬は挙がったが、スマートレイアーは「京都の2200mは合わない」、上がり馬シュンドルボンは「右回りが久しぶり」、ノボリディアーナは「2200mは長い」など、不安も多い。こんな状況では、なんだかんだヌーヴォレコルトあたりは馬券圏内に入ってくる気がするが、タッチングスピーチ、フーラブライドはしっかり抑えておきたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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