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競馬コラム

競馬ウィキリークス

2013年10月11日(金)更新

オータムセールレポート①高く売れても喜べない

 1歳馬にとっては今年最後のセリとなるオータムセール。上場されるのはこれまで売れなかった馬であり、やや在庫処分的な要素の否めないセリでもある。また購買する馬主や調教師にとっても、この時期に買うなら来春のトレーニングセールでまで待ったほうが確実という思いもあって、お代が100万円や150万円でも売れない馬も珍しくない。


 それだけに上場馬が売れることはもちろん、予想よりも高値で競り落とされれば牧場側にとって言うことなしとなるのだが、必ずしもそうとは限らない。


「200万以上で売れちゃった」


 とある牧場主はやや嘆き気味に愚痴った。100万円から競られて値段が倍以上になったのに、どこが不満なのだろうか。


「実は下見の時点で懇意にしている馬主さんが″200万円までなら落とす″って言ってくれていたんだけど、200万円を超えちゃったんで別の馬主さんに落とされたんだ」


 セリとはいえ、こういったケース話は珍しくない。事前に話ができているならわざわざセリで売買する必要はないのだが、セリを通して購買すると2歳時に″市場取引賞″などの手当がもらえる可能性があるとあってセリ経由での販売を希望する馬主も少なくない。


 だが懇意にしている馬主は落とせなかったが、それはセリ上場馬の宿命。しかも別の馬主さんとはいえ、予定より高値で売れれば悪くないようなきがするのだが。


「どうも地方(競馬)の馬主さんで、JRAでなく地方で走ることになりそうなんだ。確かに今は高く売れても、後々もらえるレースでの生産者賞なんかを考えると、ちょっと安くてもJRAで走らせてもらえる馬主さんに落としてもらったほうがトータルの実入りは大きいんだよ。だから、ちょっとショックだよ」


 セリで少々高く売れても喜んでいられない。生産者ならではの事情もあるようだ。

栗東在住ライター:鷲崎

WASHIZAKI

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