●1週目と違って雨の影響がなかった2週目の東京芝Dコースは、1週目以上にイン有利の馬場であった。
東京新聞杯はその傾向がモロに出る形で先行馬3頭が行った行ったの決着。
ダッシングブレイズが事故なく内をすり抜けられていれば、また違った結果だったかも知れないが、外枠にも関わらず早くから最内に入っていたあたり、浜中Jは最初から内を狙っていたのだろう。
勝った吉田隼Jにしても「こんな形も想定していた」とペースと馬場を睨んで、あのスマートレイアーで逃げの手を想像するほどだし、2着の岩田Jも親しい記者に「内突くで」と一発を匂わせていたようだ。
こんな極端なトラックバイアスと超スローペースの中、出遅れて最後方から4着に差し込んだダノンプラチナは改めて能力の高さを感じる内容だった。
同世代との対戦以外で57キロを背負うのも初めてだったし、何より今回は香港帰りの着地検疫で、トラックを走らせられなかったために明らかに体が重い状態だった。
それでいて、この不利な状況の中、レース上がりが11秒2→11秒0→11秒3の直線を差し込んでくるのだから、とんでもないポテンシャルを秘めている。
思えば、香港マイルにしても何度も不利がありながら世界トップレベルの強敵に迫り、富士Sや朝日杯FSを派手に勝った実力馬。次走は阪神のマイラーズCから安田記念、もしくは香港のチャンピオンズマイルが予定されているが、本調子になればおそらくナンバーワンホース。次は馬券的妙味が大きい。
●他の次走注目馬
【次走狙い】土曜東京3R
4着ミュゼリバイアサン
中山だと未勝利ダート1800mが週に2~3鞍あるが、東京では未勝利ダート1600mが週に1~2鞍。となると、当然有力馬が集中しやすいワケで、メンバーレベルが高くなるのは必然。ここは時計こそ水準より少し速いくらいだが、今の未勝利戦としてはハイレベルな組み合わせであった。1000m通過が61秒2。その中で2番手から早目先頭に立つ積極策で0秒2差の4着に粘った当馬の地力は未勝利卒業のレベル。
「器用さに欠けるところがあるのでワンターンのコースを求めてここに使ったが、逆に決め手を求められる東京では結果的に勝ち切るのが難しいタイプかも。スタートが安定してだいぶ競馬が上手になっているので、次は中山にしてみます」と黒岩師。番組豊富でメンバーレベルが落ちるであろう中山は、粘り込むタイプには有利なコース形態でもあり、2回中山なら凍結防止剤を撒く可能性も少ないので、次走は押し切れる公算が高い。
【過信禁物】土曜東京7R
1着レーヴァテイン
ヴァンキッシュランの降着により繰り上がり勝利となった当馬だが、直線馬体をぶつけられた不利があったとは言え、楽に交わせるほどの余力があったとは思えず、鞍上も「いっぱいいっぱいだった」と発言している。これで一応2戦2勝。新馬戦の圧勝ぶりから関東期待のクラシック候補と騒がれているだけに、オープンに上がっても人気を集めるのは必至だが、果たして相手強化でいきなり好勝負出来るかはまだ半信半疑。過剰人気になるようなら軽視したい1頭である。
栗東在住ライター:鷲崎
WASHIZAKI
熟練競馬ライター達がとある事情で新聞・テレビなど一般メディアでは取り上げられない業界の「アウトな裏話」を会員様限定でこっそりと公開!