近年のダート戦線は、ホッコータルマエ、コパノリッキーの2頭を中心に動いていたが、ダートのトップを決定するチャンピオンズC、東京大賞典の2戦で、2頭がともに敗戦。そんな流れもあってか、フェブラリーSはコパノリッキーの3連覇が話題の中心となるも、厳しい状況だろうと見る関係者は多いようだ。
「ダート戦線も、ここへきて流れが変わりつつある。4歳勢に活きのいい馬が多いし」(競馬専門紙記者)
まずはコパノリッキーの現状はどうなのか。
「2連覇しているフェブラリーSは、ともに番手から抜け出して快勝。ただペースはそれほど速くなく、展開が楽だったのは確か。最近は絡まれると脆さを見せ、抵抗力なく直線で下がってしまうレースが2戦続いている。脆いと分かれば、他馬も早くからマークしてくるだろう。これをスピードで振り払うことができればいいが、もともとテンのスピードがあるほうじゃないし、近走は中距離ばかり走って緩いペースに慣れてしまっている。久々のマイルである今回は飛ばす馬こそいないものの、コーリンベリー、スーサンジョイ、タガノトネール、モーニン、モンドクラッセと先行したい馬も多い。ここ2年のような楽な競馬にはならないんじゃないか」(前出記者)
これだけ先行馬が多いと、さすがに有力は差し馬になりそうだ。そうなると、やはりノンコノユメが台頭する。
「前走のチャンピオンズC2着の内容も良かったが、特に評価したいのは武蔵野Sのほう。3歳馬(当時)にして58キロの重い斤量。この時期の3歳馬は斤量面で恩恵があるから、どうして58キロも背負わされるレースに使うのか疑問に思っていたが、やはり馬のことは陣営が一番良く分かってたいたね。こちらの心配など関係なく、いつものような豪快な脚を見せて差し切り。
着差はハナ差だが、たとえ差し切れず2着だったとしても、ノンコノユメの評価は大きく上がっていたはず。それだけ価値の高い一戦だったよ。今回は得意とする東京ダートのマイル戦。有力馬に先行勢が多いことも味方し、4歳のノンコノユメが世代交代を告げることになる」(関東雑誌記者)
ただ同じ4歳馬でもモーニンを挙げる関係者もいる。
「石坂厩舎&馬場オーナーのコンビは、モーニンとベストウォーリアの2頭出し。モーニンはGIが初めてなのに対し、ベストウォーリアは昨年のフェブラリーS3着で、GI南部杯を2勝。格的にはベストウォーリアが上ですが、モーニンにデムーロを乗せてきたところを見ると、主役はモーニンとも考えられます。(※ベストウォーリアは戸崎騎手)
武蔵野Sではノンコノユメに完敗しましたが、モーニンは昨年の5月デビューで、馬もまだまだ完全にはできあがっておらず、今も一戦一戦力をつけている時期。だから昨秋の結果だけで、ノンコノユメより下と決めつけたら危険です。
逃げ馬ではないので、前が速くなってもペースに合わせて位置を取って競馬ができますし、前走がプラス10キロで本番へ向けて変わり身も見込めます。サンビスタへの乗り替わり一発でチャンピオンズCを制したデムーロが、ここも乗り替わりで持って行ってしまうのではないでしょうか」(競馬雑誌ライター)
他の4歳馬では、サンビスタに続いて牝馬ホワイトフーガを推す関係者も多いと聞く。コパノリッキーの3連覇を見たい気もするが、馬券はシビアに。ここは4歳勢の活躍で、ダート戦線もいよいよ世代交代となる雰囲気だ。
(美浦在住ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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