3日間開催が行われると厩舎の全休日が月曜日から火曜日に替わるとあって、調教日程も基本的に1日遅れることになる。すなわち水曜日が全休日明けの乗り運動で本格的な追い切りは木曜日というパターンである。もちろん厩舎や個別の馬(担当者)によっては、疲れを残さないように水曜日に強めに乗ってから木曜日の追い切りを控えめにしたり、通常通りのスケジュールで火曜日に軽く乗ってから水曜日に本追い切りを行うこともあるのだが、これは少数である。
「ウチはスタッフが協力的なんで臨機応変が可能やけど、組合の幹部さんがいる厩舎さんだとそうはいかんやろ。全休日がズレるのは正月開催と運動会とかの行事の時だけやったけど、だんだん月曜開催が増えてきた。来年はまた増えるしな。こんなご時世やから祝日開催を増やすのは構わんけど、全休制を止めて輪番制にするとかの話し合いも本格的にせんとアカン。このへんはもうちょっと競馬会にも協力してほしいわ」(中堅調教師)
労働条件の変更を伴う労使折衝となれば簡単ではないのはどこの世界も同じ。確かに零細個人事業主の集まりである調教師会だけではどうにもならないものである。
いっぽう厩舎に雇われている厩務員や助手も現状を良しとはしていない。
「今朝は台風で美浦の調教がアカンかったみたいやけど、これが1日遅れで栗東にも影響があったら菊花賞を含めて今週の追い切りがグダグダやったわけでしょ。そうなると出馬投票やマスコミさんの取材、ひいてはファンにも影響が出る。もし自分が菊花賞を狙える馬を担当していて台風が来るとかわかったら、全休とか関係なしに乗っているやろうし」(某持ち乗り助手)
まだ正式発表されていないが、来年には金土日の3日間開催も組まれるという情報もある。
「変則日程とかへの対応力も調教師の腕として試される」(若手調教師)
興行面が優先されるのは致し方ないが、現場もこのままでいいとは考えてないようだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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