史上空前のハイレベルと評される今年の3歳牡馬世代。中でもマカヒキ、リオンディーズ、サトノダイヤモンドは「3強」と別格の扱いを受けている。
マカヒキはデビューから3連勝。若駒Sでは32秒台の脚を披露し、弥生賞では2歳チャンピオンのリオンディーズを差し切り。勝ち時計は弥生賞史上最高で、11秒3-11秒3と減速無しのレースラップを差し切ったのだから、能力の高さは測り知れない。
敗れたリオンディーズも負けて強しの内容。道中何度か折り合いを欠きながら、最後まで減速しなかったように、かなりのスタミナの持ち主。朝日杯FSではとても届かないような位置から追い込みを決めたように、瞬発力も持ち合わせた万能な馬である。
そしてサトノダイヤモンドは、デビューから3戦を全て楽勝。しかも最後に加速してゴールしているように、鋭い決め手を持っている。まだ強い馬とは戦っていないが、2戦前の500万では、皐月賞トライアルで好勝負したナムラシングン、マイネルハニーあたりを子供扱いしていることから、この馬もかなりの器だろう。
3頭ともに高い能力を持っていることは間違いないが、皐月賞を迎えるにあたって、仕上がりも含め、関係者間ではどのような評価がなされているのか。
「マカヒキは、中間の調教が3強の中でも一番目立っている。1週前には7Fから時計を出して、5Fで62秒台、上がり3Fは35秒台。こんな時計はなかなかお目にかかれないよ。この馬はトビが大きいため、乗っているほうは無理しているつもりはないのに、いざ時計を見ると凄いことになっている。この脚があるから、弥生賞でも届いたのだろう。
多頭数の中山で脚質は不利だが、この馬なら大外をまわって距離ロスがあろうとも、他の2強に届くんじゃないか。
その弥生賞で捕まったリオンディーズだが、本番を想定して早めに仕掛けての結果だから、陣営も悲観はしていない。もともと賞金は足りているので、仕上げもマカヒキに比べると余裕があったし、叩いて調教の動きも更に良くなり、折り合いもスムーズだった。少々かかっても速い時計で上がれる馬だから、朝日杯のように折り合ったらどんな脚を使うか楽しみだ」(栗東記者)
サトノダイヤモンドについては、別の記者の話。
「能力が高いのは勿論、この馬は他の2強に比べ完成度が高い。新馬戦のときに、他の馬がまくってきたときも全く怯まなかったし、道中も折り合いがばっちりつき、追い出されるとすぐに反応し、鞭を入れられてもブレずに真っ直ぐ走れる。こうした点は、多頭数のクラシックでは大きな武器だ。
状態のほうも使う毎に良くなっている。以前は調教でも動かない時があったが、今は安定していい時計を出せているし。それだけ成長しているということだ」
3強ともに能力が高いだけでなく状態も良いとなれば、馬券は堅い気がするが、どうにか3強に割って入れる馬はいないのか。
「恐らく3強に次ぐ人気になるのがエアスピネルでしょう。陣営も強気で、逆転のチャンスはあると話しています。でも対リオンディーズを見てもそうですが、朝日杯で並ぶ間もなく交わされ、弥生賞では逆に相手を見る形で走りながら、最後は突き放されてしまった。しかもマカヒキに差されています。正直逆転は難しいでしょう。
強いて挙げるならアドマイヤダイオウとマウントロブソンでしょうか。アドマイヤダイオウは3連勝の内容がかなり高いですね。ただスタミナやしぶとさは3強にヒケをとりませんが、瞬発力が足りない感じ。雨が降ればチャンスだと思いますが。
マウントロブソンの3連勝は、内容こそ同じ3連勝のアドマイヤダイオウに劣りますが、なにせ堀厩舎。この厩舎の馬は連勝が始まると、どこまで伸びていくか分からない怖さがあります。スプリングS程度の競馬では3強に歯が立たないので、どこまで上積みがあるかがポイントでしょう」(競馬専門誌ライター)
やはり3強相手には厳しそうな話ばかりである。
最終的に馬券の勝負は、3強の順列となりそうだが、これがまた難しい。
ただ3強の中では、正攻法で行くと話しているリオンディーズが一番前につけそうだ。GⅠの日は高速馬場も多いので、もしそうなったらリオンディーズが一番優勢。逆に一雨あって時計がかかる馬場なら、2戦前の重い馬場で圧勝しているサトノダイヤモンド優勢と見るが、果たして?
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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