ハイレベルと言われる3歳世代だが、その中心だったのがサトノダイヤモンド、リンディーズ、マカヒキの3強。しかし皐月賞では、3強とは別のディーマジェスティが快勝。この結果、ダービーは「4強」という見方をする人が多くなってきている。
ダービーも本来なら「新4強」を中心に展開されるだろうが、ハイレベルの皐月賞を走った結果、全てが万全で出られるとは限らない。新聞紙上では、有力馬はどの馬も順調と書いてあるが、全てが同じ調子のわけがない。皐月賞から状態を上げた馬、逆に下げた馬はいないのか。そのあたりをトレセン関係者に聞いてみた。
「そうは言っても、関西の有力3頭はどれも順調だよ。ただ勝負気配が皐月賞以上と思えるのはサトノダイヤモンドだね。
皐月賞のときは、きさらぎ賞以前の調教と変わらぬ内容だったが、ダービー前は2週前、そして1週前と長め(7F)から意欲的に時計を出しているし、全体時計も速い。かつては終いに軽く脚を伸ばす感じだったが、今は最後まで負荷をかけている。早くから『目標はダービー』と言っていたが、調教を見る感じでは確かに前回とは意欲が違う。あとは当日の馬体重を見て、減っていたら(前回はプラス6キロ)、しっかり仕上がったってことになるだろう」(関西元専門紙記者)
皐月賞時にも、「サトノダイヤモンドの狙いはダービー」との声はアチコチから入ってきていたが、どうやらそれは本当のようだ。
ではリオンディーズ、マカヒキはどうだろう。
「リオンディーズは皐月賞でしっかり仕上げていたが、この馬もどちらかというとダービーに比重をかけていると思われていた馬。調教の動きも前走以上にいい感じはあるね。
ここ2戦の内容から折り合いを心配している人が多いようだが、調教では落ち着いて走っており、前に馬を置いても抜かさずに落ち着いていたから大丈夫じゃないかな。皐月賞は馬じゃなく、騎手が折り合いを欠いていたからね(笑)。
マカヒキは皐月賞前に物凄い時計を出していたから、当時の3強の中では最も勝負気配の高さが伝わってきていた馬。そんな後だから、この馬が一番デキ落ちを心配していたけど、調教を見る限りそんな感じはない。前走から更に良くなった感はないものの、いい意味で平行線だ」
関西3強はそれぞれ順調だが、特にサトノダイヤモンドの変わり身が大きいようだ。
それでは関東馬のディーマジェスティはどうだろうか。
「皐月賞から転戦の中5週組は、2週前から強い調教をしてアピールしていましたが、この馬は軽めの内容。しかも日曜日は時計を出さずに終わり。少し疲れがあったようです。1週前の調教はウッドで馬ナリながら66秒台を出せたので、それほど気にしなくてもいいという見方もありますが、共同通信杯前には64秒台の猛時計を出したほどの馬なので、66秒台で調子が戻ったとは簡単に思えません。
レースまでには1週間あるから幾らか取り戻せるかもしれませんが、最強レベルと言われる年に、ライバルたちは順調にレースを迎えようとしています。それだけに状況は楽じゃないでしょう」(競馬専門誌ライター)
4強のダービーへ向けての上昇度は、サトノダイヤモンド>リオンディーズ>マカヒキ>ディーマジェスティという感じ。ただダービーは、ローズキングダム、ロジユニヴァース、エピファネイアなど、ダービー前に不安説が出ながら上位に来た馬もたくさんいるレース。
どうやらダービー的中のキーは、ディーマジェスティの取捨にありそうだ。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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