来年2月に勇退が決まっている松山康調教師。三冠馬ミスターシービーを始め、ダービー2勝。数々のG1ウィナーを育て上げた。通算1000勝まであと2勝までこぎつけたのだが……。
「後5勝から少し足踏みしたこともあるけどね。それでも先々週、先週で1勝ずつ追加した。何とか達成しようと厩舎一丸となっている。西では某調教師がメモリアルの勝ち星まで数勝ということで、1勝が確実な地方馬をわざわざ呼び寄せたほど(その馬は見事に勝利)。そこまではやらないみたいだけど、1000勝に対するこだわりは相当なものだと思うよ」
周囲で取材しているTMなどは「今年の春位から1000勝に関する話題はほとんど口にしなかった」と言われ、とてもじゃないが聞ける雰囲気ではなかったという。
「元々、厳しい調教師だからね。ジェニュインを管理していた位までは、『帰れ、馬鹿』って怒鳴られた人は多いはずだよ。だけど実際は優しいところもあって、トレセン近くの焼肉屋で食事をしていると、関係ないのに支払いをしてくれたこともある。本当にトレセン付近で行動している馬一筋の人。こうした職人肌の調教師がいなくなるのは寂しいよね」
最近はマスコミ対応を上手に行なう調教師も多い中で、威厳を感じさせる数少ない調教師だという。
「怒られたことのあるマスコミ人も含めて、1000勝達成は応援している。後2勝ということで簡単そうにも思えるけど、本当に後1勝が遠いことは本人が一番分かっているはず。俺のことはいいんだと言っているけど、それは本音じゃないでしょ」
記録達成まで松山康厩舎の馬には注意する必要がありそうだ。
(美浦ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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