2週前のジャパンCの登録メンバーを見て驚いた方も多いだろう。とにかくタレントが少ない。いつもなら凱旋門賞に出走した日本馬が出てきたりしもするのだが、今年はオルフェーヴル、キズナがともに有馬記念に直行。秋の天皇賞を制したジャスタウェイ、菊花賞を制したエピファネイアも疲れで休養に入ってしまった。
結局日本馬で主役を張れそうな馬はジェンティルドンナ、ゴールドシップだけ。しかも2頭ともに前走負けているのだから困ったもの。代わりに外国から参戦の馬に楽しみな馬がいればいいのだが、これも平凡な馬ばかりだ。
「香港に行く噂のあったエイシンフラッシュが参戦することで少しは恰好がついたが、それでもメンバーは寂しい。いつもならバリバリのGⅠクラスのガチンコだったが、今年はアルゼンチン共和国杯組にもチャンスはありそう」(関西の記者)
レースの重みはともかく馬券的には面白くなってきた感もある。肝心の2強だが、ジェンティルドンナ、ゴールドシップどちらも一叩きされて順調に良くなっているようだ。
「特にジェンティルドンナのほうは、オークスをダービーより速い時計で勝ち、昨年のJCではオルフェーヴルを破ったように、東京の芝2400mは合うからね。かかるようになってきた不安はあるけど、岩田からムーアに乗り替わって、このあたりが解消されれば、今年のメンバーだと圧勝もある」
ただ、こんな声も。
「牝馬は一度調子を落とすと、そのまま終わりってケースも多いからね。ジェンティルドンナも着順こそ安定しているが、昨年に比べるとパフォーマンスが落ちている。前走も速いペースを追いかけたとはいえ、ジャスタウェイから4馬身も離されるかね?」
ゴールドシップのほうにも、こんな不安が。
「京都大賞典もそうだが、やはり時計が異様に速い馬場に弱い。このコースはダービーでも5着に負けているし、昨年のJCも極端な内有利の馬場。今年も同じような馬場だと、また危ないんじゃないかな。だからといって無理に先行しようとすると、前走のようなことになるし」
とコース・馬場への不安、その影響による乗り難しさも増幅されるという見方だ。
ただでさえメンバーが不安なのに、2強にも不安材料あり。これまでのジャパンCの定石にとらわれない予想をすることが求められそうだ。
(美浦ライター:高木)
栗東在住ライター:鷲崎
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