最近は年末中京開催の頭に行われていた金鯱賞だが、大阪杯がGⅠに格上げされたこともあり、その前哨戦として3月へ移行。おかげで、年末開催時に比べると豪華な顔ぶれとなった。
「バリバリのGⅠ級という馬はいないが、これからGⅠを取れる可能性を秘めた馬も複数おり、楽しみな一戦だ。
関西馬の注目はヤマカツエース。昨年12月の金鯱賞を快勝。年末の有馬記念では、直線で進路が狭くなり、立て直してから内を突いて4着と内容はかなり濃いものだった。ここへ来てかなり力をつけているし、1週前の稽古でも『動きすぎ』って思うほど馬はできている。金鯱賞2連覇の可能性は結構あるんじゃないか。
それから中京コースで忘れてならないのはサトノノブレス。金鯱賞は2、3、2着、中日新聞杯1着と、中京はホントによく走るからね。GⅠだと駄目だが、GⅡ以下の重賞では堅実。そのあたりは厩舎の意向もあるのかもしれない。次のGⅠ大阪杯より、GⅡの金鯱賞を狙ってきている雰囲気は強いよ。
難しいのはリアファル。一昨年の有馬記念のレース中に故障し長期休養。昨年の金鯱賞で復帰し、勝ち馬からコンマ2秒差の5着から、次を楽しみにしていた。そのアメリカJCCだが、道中はスムーズにレースを進めていたが、勝負どころで突然失速し、勝ち馬から約3秒も離れた大敗。また故障したのかと思ったけど、レース後は異常無し。鞍上も陣営も『ワケが分からない』と話してたけど、その後もはっきりした敗因は分かってないんだよね。
3歳時の神戸新聞杯や菊花賞の内容から、能力的に勝ちを意識できる馬。でも前走のようなことがあると信用して馬券が買えない。あれが有馬のトラウマというのなら、中京になる金鯱賞は買えると思うが…」(関西記者)
リアファルは能力的には買えるが、レースに行ってどうなるか分からないのでは、さすがに本命にはしにくい。関西馬はヤマカツエース、サトノノブレスが主力と見て良さそうだ。
では関東の有力馬は、どのあたりになるのか。
「ルージュバックがいいですね。GⅠでは力負けしていますが、エプソムC、毎日王冠を見ても分かるようにGⅡ以下のレースでは強い内容で勝っています。このあたりを考えると、無理にGⅠを狙わず堅実に勝てるところで勝負しているような気がします。大阪杯は相手が厳しいですし、天皇賞・春やヴィクトリアマルでは距離が合わない。絶対という目標が先にないのなら、今回もGⅡを堅実に勝ちに来るのではないでしょうか。
ヌーヴォレコルトも、中山記念から中1週なんて使い方を考えると、勝負以外に理由がありません。年齢的に負けると引退がちらつく時期。厩舎にとってヌーヴォレコルト程の馬はなかなか出会えませんから、ここは勝ちに来ます。
牡馬ではプロディガルサン。昨年の3歳は最強世代と言われていますが、その中でも元の期待感は1、2だったのが、この馬です。脚部不安や適性の違う距離を使ったりで成績は安定しませんでしたが、距離短縮した前走は上がり32秒0と驚異的な脚。やはり距離は、これくらいがいいのでしょう。
1800mは守備範囲ですし、エアスピネルを楽々交わした前走内容から、GⅡでも足りると思います」(競馬専門誌ライター)
関東の有力3頭は、どれも勝ちを意識できる馬だが、上昇度で3歳馬のプロディガルサンに魅力を感じる。
GⅠ前哨戦で好メンバーではあるものの、次の大阪杯でキタサンブラック、マカヒキ、サトノクラウンらに勝てるかというと少々厳しい。その現状が分かっている陣営は、ここで勝負に出てくる可能性が高い。関西ならヤマカツエース、サトノノブレス、関東ならルージュバック、ヌーヴォレコルト、プロディガルサン。特に上昇度の高いヤマカツエース、プロディガルサンを推しておきたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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