当ウィキリークスでも紹介したように、ホッコータルマエの調子はすこぶるいい。しかも、前走のJBCはアクシデントもあったという。
「2馬身離して勝利しているけど、どうやら落鉄もあったようだ。それでいて、きっちりと勝ち切るんだから上昇期に入っているのは間違いないよ。しかも、陣営にはどうしてもホッコータルマエに頑張ってもらいたい理由もあるんだ」
それはオーナーの矢部氏が数日前に亡くなっていたからだという。
「個人馬主さんなんでそれほど派手に所有していた訳じゃないけど、苫小牧では大物だったし、日高地方で知らない人はいないという人。たまにOP馬が出る程度だった。その中でもホッコータルマエは別格という存在。ベテラン、若手の調教師を問わず馬を預けていた人だし慕われている人だったよ」
という。6月の帝王賞では表彰式で幸騎手と語り合う姿もそこにはあったが、その後体調を崩され3カ月前から闘病生活を送っていたという。
「競馬はそれほど単純じゃないけど、人の思いというのは大切だからね。数年前に木幡騎手のお父さんが亡くなった際は、重賞ではなかったけど新潟(編注・柳都S、メイショウエンジン)で勝ったこともあった。その時は単勝万馬券の馬で勝ったから話題になったほどだったよ。タルマエは今回1番人気になりそうだし、チャンスはかなりあるんじゃないかな」
強かった前走も落鉄があったと考えれば、まだまだ奥が知れない強さを備えている可能性もある。天国で見守るオーナーに吉報を届けられるのか見守りたい。
(栗東在住ライター:鷲崎)
栗東在住ライター:鷲崎
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