日経新春杯は12ハロン2.26.9秒での決着。予想通りの低速決着とはいえ、過去10年で最遅のVタイム&3ハロン目以降の最速ラップ11.7秒では低レベルの評価は免れまい。GⅠはおろか重賞勝ち馬すら数えるほどのメンバー構成。伸びシロを残す4歳馬ながらも、勝ち馬モズベッロに前途洋々の明るい未来を見出すのは難しいのが現状だ。
一方、中山の京成杯も10ハロン2.02.1秒の低速決着。ただ、こちらは前日の雨が残る稍重馬場でのもの。前3ハロン37.0秒→5ハロン61.5秒の緩ペースにもかかわらず、ラスト2ハロン11.8秒→12.6秒と大きくラップを落としたあたりに当時の馬場状態がうかがい知れる。今週も週末にかけて曇天続きの予報。馬場レベルのV字回復は見込めないとなれば、開催最終週らしい時計を要する馬場を想定しておくのがベターだろう。
おのずとハロンラップの数字が大きくなるもがき合いなら、コース適性にフォーカスするのも一つの手か。アメリカJCCで注目はミッキースワロー。
内回りの2戦を除けば【2-2-0-0】の連対パーフェクトとコース成績では他馬を凌駕している。37.0秒→34.0秒→36.0秒→34.0秒とレース上がりが激しく上下動する中で最速上がり4連発。馬場レベル&展開不問で能力全開間違いなしとなれば安心して軸を任せられる。
京都の東海Sは前半ラップがカギ。前4ハロン48秒を割るかどうかにインティの浮沈がかかっているからだ。仮に脚抜きのいい馬場で気前良く行き過ぎれば、みやこSと同じ轍を踏む可能性も十分。そうなれば再びヴェンジェンス、キングズガードといった後門の狼が大きく浮上してくるのだが…。馬場状態、気配(テンション)といった直前情報のチェックが怠れないところだ。

明石尚典
AKASHI TAKANORI
関西学院大学法学部卒。大阪スポーツの若き俊英記者として知られる。ラップ理論の先駆者でもある上田琢巳記者を師と仰ぎ、同氏からの信頼も厚い。東スポ・大スポ週末版で「ラップナビゲーター」を大好評連載中。