今週のピックUPレース
エルムS・レパードS
今週はエルムS、レパードSのダート重賞二本立て。札幌のエルムSはダート1700mという傍流の条件にも関わらず、芝も含めた重賞勝ち馬がズラリと顔を揃えた。
15年以降は3勝、2着1回とマリーンS組が大活躍。となれば、前哨戦を3馬身半突き抜けたタイムフライヤーを素直に信頼する手だ。
前後4ハロン47.3秒→50.3秒のハイラップながらも、ラスト2ハロンは加速ラップ(12.8秒→12.5秒)でフィニッシュ。自身前後3ハロンラップ合計(73.3秒)でも2、3着馬(ともに74.6秒)を圧倒なら、額面通りの完勝と受け取っていい。ダート初勝利に7戦を要したとはいえ、芝GⅠのタイトルは他馬がかすんで見えるほどの金看板。砂上での走りが軌道に乗った今なら、メンバーレベルがグッと上がるここでも格好をつけてくれるだろう。
3歳限定戦のレパードSは登録28頭の大激戦。一筋縄ではいかないムードが漂うが、素質の高さでラインベックが一歩リードか。
こちらもタイムフライヤーと同じく芝からの転向組。初ダートの西脇特別で一発回答と砂適性を疑う余地はない。稍重で4ハロン通過49.8秒の緩ペースとはいえ、直線坂の阪神でラスト2ハロン12.1秒1→12.2秒。先行有利の新潟ですんなり先行できれば、あっさりのシーンがあっていい。
先週のピックUPレース
クイーンS
クイーンSで◎を打ったコントラチェックは10着撃沈。敗因は前後4ハロン比1.4秒の前傾ラップを深追いしすぎたため、というのが大方の見方だろうが…。
前3ハロン34.8秒8→5ハロン58.2秒の通過ラップは、完勝した昨年のターコイズS(中山8ハロン)の333.9秒→57.3秒に比べればしっかり息の入るほどよい流れ。直線早々と失速にはどうしても納得がいかない。
控えてはやはり味がないのか、それとも年齢を重ねて距離の壁が出てきたのか。いずれにせよGⅢ2勝とポテンシャルは非凡。これで見限るのは早計に過ぎるというものだろう。

明石尚典
AKASHI TAKANORI
関西学院大学法学部卒。大阪スポーツの若き俊英記者として知られる。ラップ理論の先駆者でもある上田琢巳記者を師と仰ぎ、同氏からの信頼も厚い。東スポ・大スポ週末版で「ラップナビゲーター」を大好評連載中。