今週のピックUPレース
アルゼンチン共和国杯
2週連続無敗の3冠馬誕生に日本競馬史上初の芝GⅠ8勝目。その余韻に浸れ、とばかりに今週はGⅠシリーズの中休みだが、東京=アルゼンチン共和国杯&京王杯2歳S、阪神=みやこS&ファンタジーSと暮れのGⅠに向けた前哨戦が目白押し。ひと息ついている場合ではないということで、早速狙い馬をピックアップしてみよう。ジャパンC、そして有馬記念を見据えたアルゼンチン共和国杯はユーキャンスマイルに期待。
データ劣勢のトップハンデ(58キロ)も、GⅠ③⑤④⑤④着と実績(能力)は明らかに一枚上。昨年の天皇賞・秋が最速上がりをマークしての10ハロン=1.56.8秒(4着)と数字の裏付けもある。悲願のGⅠ制覇へ向けて、ここは弾みをつけておきたい鞍だ。
京都競馬場の改修工事で阪神へ場所を移すみやこSはウェスタールンドの回避で一気に混戦ムード。道悪が残れば積極策に出るベストタッチダウン、ワイドファラオあたりが面白い存在になりそう。前者は不良の太秦Sを前後4ハロン47.5秒→48.1秒→9ハロン1.48.11で完勝。後者も重のGⅢユニコーンSを前後3ハロン33.9秒→37.1秒のハイラップでVとスピード勝負には滅法強い。あくまで当日の馬場状態との相談になるが、現時点ではこの両者が有力なV候補とみている。
先週のピックUPレース
天皇賞・秋
シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナ、キタサンブラック。過去の歴史的名馬たちをもってしても叶わなかった芝GⅠ8冠の高みへ到達したアーモンドアイには素直に拍手を送りたい。
ただ、レコードにコンマ1秒迫る10ハロン=1.56.2秒で3馬身突き抜けた昨年に対して、今年は1.57.8秒でわずか半馬身差。馬場レベルに差があったとはいえ、前年より1秒以上も遅い5F通過(19年=59.0秒、20年=60.5秒)で最速にコンマ0.4秒差の上がりナンバー3は何とも物足りない。少なくとも、過去7冠に比べてインパクトで大きく見劣りすることだけは確か。着実にピークアウトの足音が迫っている。そんな印象を持ったのは決して当方だけではないはずだ。

明石尚典
AKASHI TAKANORI
関西学院大学法学部卒。大阪スポーツの若き俊英記者として知られる。ラップ理論の先駆者でもある上田琢巳記者を師と仰ぎ、同氏からの信頼も厚い。東スポ・大スポ週末版で「ラップナビゲーター」を大好評連載中。