今週のピックUPレース
チャンピオンズC
ドリームマッチの余韻冷めやらぬ中、今週は砂上の頂上決戦・チャンピオンズCがゲートオープンを迎える。芝に比べて息の長い活躍を見せる馬が多いダート路線だが、18年ルヴァンスレーヴ、19年クリソベリルとここ2年はフレッシュな3歳馬が連勝中。トレンドに乗って3歳馬カフェファラオで攻める手もあり? それでもやはり同世代相手に大敗を喫したジャパンダートダービー7着の傷跡は無視できない。
現時点でのスケール感で近2年の勝ち馬に及ばないとなれば、素直に王者クリソベリルから入るのが無難。前後4ハロン49.2秒→49.4秒とほぼイーブンのラップを、自身前後3ハロン36.9秒→36.8秒のブレのない走りで抜け出したJBCクラシックはお見事というほかない。キャリア9戦とまだまだ伸びシロもたっぷり。死角の見当たらないディフェンディングチャンピオンにあえて逆らう必要はないだろう。
相手もチュウワウィザードでまずOK。クリソベリルを抜きにすれば、この馬とオメガパフュームが現在のダート路線のツートップと言っても決して過言ではない。焦点は天敵クリソベリルにどこまで迫れるか。久々にタッグを組む戸崎圭の手綱さばきに注目。割って入るならタイムフライヤー、クリンチャーの芝重賞ウイナー2騎か。前者は函館→札幌のダ8.5ハロン2戦が鮮やか。後者はみやこS快勝で勝ちみの遅さに終止符を打った。ペースひとつで間隙を突くシーンを一考。
先週のピックUPレース
ジャパンC
キセキの大逃げで前後5ハロンラップは57.9秒→61.8秒。離れた2番手以下は平均ペースという、いわゆる〝偽りのハイペース〟が出現した今年のジャパンC。紛れの生じやすい流れに幻惑されることなく、きっちりVゴールを決めたアーモンドアイには素直に拍手を送りたい。掲示板内がほぼ人気通りの入線という〝世紀の一戦〟にふさわしいハイレベルな決着。敗れたとはいえ、今後の日本の競馬シーンを引っ張るのはアーモンドアイからバトンを託された2頭の3冠馬でまず間違いないだろう。

明石尚典
AKASHI TAKANORI
関西学院大学法学部卒。大阪スポーツの若き俊英記者として知られる。ラップ理論の先駆者でもある上田琢巳記者を師と仰ぎ、同氏からの信頼も厚い。東スポ・大スポ週末版で「ラップナビゲーター」を大好評連載中。