今週のピックUPレース
阪神JF
今週は2歳牝馬の頂点を決める阪神ジュベナイルフィリーズ。昨年は前後3ハロン33.7秒→35.2秒のハイラップで後続を封じたレシステンシアが阪神マイル1.32.7秒の2歳レコードを樹立。再び激流ラップが出現するのかも気になるポイントの一つとはいえ、展開(流れ)といった不確定要素を深読みしてもあまりいいことはない。
やはり最優先とすべきは能力レベル。注目を一身に集めるソダシの陰に隠れるようなら、サトノレイナスが面白い存在となりそうだ。1.37.7秒→1.35.2秒と初戦の東京マイルから2戦目のサフラン賞で走破時計を大幅に短縮。自身前後3ハロンラップ合計も1秒以上詰めてきた(72.7秒→71.2秒)となれば、ポテンシャルの高さは歴然と言っていい。
目下の阪神の馬場レベルで走破時計をさらに1.5秒、自身前後3ハロンラップ合計を1秒短縮なら、想定ラップは前3ハロン36.2秒→後3ハロン34.0秒→マイル1.33.7秒。あくまで机上も、これなら十分Vゴールに届いていい計算だ。
先週のピックUPレース
チャンピオンズC
48.5秒→49.0秒とイーブンに近い前後4ハロンラップで0.6秒差4着。チャンピオンズCで言い訳の利かない完敗を喫した格好のクリソベリルだが、前年は前4ハロン48.7秒とほぼ同じ入りでもう一段ギアを上げての後4ハロン47.7秒。中京ダ9ハロン1.48.5秒→1.49.9秒と大きく時計を落としたことから見ても、陣営が吐露したように本調子になかったことは想像に難くない。
4戦目の手合わせにして初めて天敵を退けたチュウワウィザードにとっても1.48.8秒(上がり35.5秒)→1.49.3秒(同36.4秒)と大きく数字を落としてのVゴール。再び矛を合わせるのがいつになるかは分からないが、やはりトップフォームのクリソベリルに勝つまでチャンピオンと呼ぶのはお預けにしたいと思う。

明石尚典
AKASHI TAKANORI
関西学院大学法学部卒。大阪スポーツの若き俊英記者として知られる。ラップ理論の先駆者でもある上田琢巳記者を師と仰ぎ、同氏からの信頼も厚い。東スポ・大スポ週末版で「ラップナビゲーター」を大好評連載中。