今週のピックUPレース
シンザン記念・フェアリーS
シンザン記念はどちらにでも転ぶキャリア1戦のリスクを承知で狙ってみたいのがレゾンドゥスリール。新馬Vは阪神マイル1.35.5秒と時計こそ平凡も、後半5ハロンがデイリー杯2歳Sの57.4秒に肉薄する57.5秒。阪神JFの58.2秒を大きく上回る数字を叩き出しているとなれば、非凡なスピード持続力の持ち主とするには十分過ぎる根拠と言えよう。前半ラップ、走破時計をもうワンランク上げるという課題はあるものの、素質は間違いなく一級品。今後を占ううえでも、いきなりの重賞挑戦でどんな走りを見せるか目が離せない。
中山のフェアリーSはテンハッピーローズを軸に指名する。サフラン賞→アルテミスSの勝ち馬は阪神JFワンツーのソダシ&サトノレイナス。押しも押されもせぬ世代トップと0.2秒差→0.4秒差なら、1勝馬が大半のGⅢで勝ち負けの期待をかけるのは当然。目下の中山の馬場レベルからして、1.35.3秒の持ち時計をコンマ5秒短縮すれば帳尻が合う計算だ。
先週のピックUPレース
中山金杯・京都金杯
一年の計は金杯にあり。競馬ファンにとっては耳なじみのあるフレーズだが、個人的に金杯で好スタートを切れた記憶はほとんどない。今年もその前例?をしっかりと踏襲。中山金杯で◎を打ったディープボンドは14着に沈んでしまった。典型的な非瞬発力タイプだけに前後4ハロン49.4秒→46.8秒のスローに泣いた、の見方もできるが、1.1秒差の2桁着順はやはり負け過ぎ。万葉Sで8着に敗れたブラックホールと合わせて明け4歳の世代レベルにさらに疑念を深める結果となった、が正直な感想だ。
一方、京都金杯の◎ピースワンパラディは連対圏確保の2着。軸指名にしっかり応えてくれた格好だが、Vゴールを決めたのが12番人気の伏兵ケイデンスコール。3着にも14番人気のエントシャイデンが飛び込んで3連単122万8010円の大波乱劇では、自他ともに認める本格派(本命党)の筆者には手も足も出ない馬券というほかない。今後へ向けての糧とすべきは中京マイル1.33.1秒のVタイム。開幕週でこの馬場レベルなら、今週のシンザン記念は1.34.0秒前後の攻防が濃厚とみていい。

明石尚典
AKASHI TAKANORI
関西学院大学法学部卒。大阪スポーツの若き俊英記者として知られる。ラップ理論の先駆者でもある上田琢巳記者を師と仰ぎ、同氏からの信頼も厚い。東スポ・大スポ週末版で「ラップナビゲーター」を大好評連載中。