1着馬に天皇賞への出走権が与えられると同時に、高速ターフの当距離はマイルCSへの試金石になる故、個性ある面々が集うことに。その中、まず俎上に載せるべきはエルトンバローズ。
何故なら、快進撃を続けた3歳春からの締めが昨年の当レースで、マイルのGⅠ馬2頭を抑えたし、直後の京都でも上位に関わったのだから既に本物であった。確かに、今季初戦の2月・中山からは案外続きだった。その反面、一旦は伸びかけた末の安田記念が0.6秒差で、それが香港帰りから検疫を経て、府中に直入といったイレギュラーな過程だったから、むしろ底力を見せつけたわけ。また、59キロだったにしろ、インパクトを欠いた7月を使ったことによってここに至るのに格段の苦労は要らなかった筈。
実際、3歳秋を踏襲するかのよう。けれども、1年前はスタートから3F目まで12秒台が2度ある緩い流れの中、巧みなイン突きが嵌ったとも受け取れるし、それに比べ、今回は長目のコース追いが1本足りないのが気懸かり。
昨年のエルトンバローズを始め、斤量利で3歳馬が更なる勢いを得るシーンあり。その点で行けばシックスペンスに着目するのが自然の流れ。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。