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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2014年01月09日(木)更新

混沌のフェアリーSより土曜のメイン、ドラゴンFで勝負

年が明けて初のコラムとなるが、少々歯切れが悪い点は勘弁して貰いたい。というのも、今週は月曜までの3日開催。従って、メインのフェアリーS(5日目)組では、木曜時点でも最終調整を済ましていない馬が。堀厩舎のオメガハートロックは、キャンターのみで追い切りは金曜。◎候補だけに決断を下せぬのは残念だが、この中間には稽古の質をUPさせてシルエットが明確に。追い出しを待たされた分、着差が僅かだったデビュー戦からの上積みは確実。

ここに至る過程で期待を込めていたのが鹿戸厩舎のケンタッキーミント。極端な戦法をマスターしてひと皮剥けた印象だからだ。しかし、芝コースの3頭併せでは1馬身の遅れ。5F66秒8だけに追走は言い訳にならぬし、追って伸びる雰囲気ではなかった。同じコースならアンジュデュバンの方が上。5F67秒4と時計こそ目立たないが、終始余裕のある動きで捌きもリズミカル。素質のある牡馬に伍して戦ってきた府中の一連は評価されるべき。

オメガハートロック同様、1戦1勝の馬に注目したい。エクセレントビューだ。高柳厩舎独特の半マイル調整で4F53秒1。馬なりの古馬相手に脚色こそ劣ったものの、4馬身のビハインドがあれば当然。それよりも、追っての味が魅力で、自らハミを取ってストライドを伸ばした点にセンスを感じる。上質な筋肉を存分に駆使する動きに磨きがかかった。ウッドではもう1頭。2000で鮮やかな抜け出しを見せたムードスウィンクスも注目の的。行き出しはウッドの5Fで追走して内、一杯に追われた直線ではパートナーを3馬身切り捨てた。唯、5F71秒6は平凡だし、トモが流れる感じのフォームが気懸かり。つまり、徐々に加速する分には能力を余すところなく発揮できるのだが、機動性には欠ける分、マイルは?

このレース、全て1勝馬でニシノミチシルベも準重賞での3着だから抜けた存在ではない。坂路専用で最終追いは4F52秒8~1F12秒5の馬なり。詳細は掴めぬが、本質は軽い馬場での切れが身上。昨秋・府中2戦のレベルは認めても中山に関しては疑っても良いのではないか。

今週の3歳戦ではむしろ3日目の黒竹賞。2度目のハロー明けに追われたアスペンツリーは力強い動きで1馬身先着。好調キープは間違いないところ。が、関東馬ならサリレモンドを上位に取る。初勝利までに時間を要したのは適条件を使わなかったゆえ。パワー満点の走りが売りの反面、忙しい競馬ではそれが封印される。結果、ユッタリと構えて進められる中京1800では楽勝で時計も優秀。最終追いでは鞍上のアクションに応えて5F66秒2と鋭さまで加わった。

日曜の朱竹賞は関西馬キンシノキセキが人気を集めそう。質の高い小倉デビュー組で中山での2着がある。唯、ベストは平坦だし早稲の可能性十分。ここはファソン。併せ馬で先行しながらの3馬身遅れを額面通りに受け取ってはいけない。重いウッドで5F69秒6なら十分という点、同じ3歳ウインマーレライが相手なら良く食い下がったと言える。また、追い切りで美浦のウッドを使ったのは初めてで、それだけ芯がシッカリしてきた証し。見た目通りに体に幅が出てトモの厚みも増した。元々、首から肩にかけての筋肉が充実していただけに、バランスの取れた好馬体になったということ。中山1200が2度目でペースに慣れるであろうヒカルカミヒコーキがライバル。

土日のメインは古馬のダート1800戦。が、ポルックスSに関しては気乗りがしない。前走でスランプ脱出の兆しと考えていたサイレントメロディは格下との追い比べに劣って2馬身遅れ。また、木曜ウッドの朝一番に追われたマスクトヒーローは先行した僚馬を追い詰めることができなかった。立ち直り気味は確かでも劇的な変化を求めるまでは…。それならば、この格上のパートナーとして鍛錬を重ねたランブリングマン (日曜・成田特別)に妙味がある。一叩きで体が引き締まったし、何より気力が充実。スタミナ勝負は望むところでハンデ抽選を潜り抜けたい。

今週の一番は土曜11Rのドラゴンフォルテ。左回りには見切りをつけて臨んだ前走では詰めが甘かった。けれども、微妙に間隔が開いて馬が覚醒していなかったのは確か。なぜなら、3本の併せ馬を消化したとはいえ、前半のラップが緩かったし、子供扱いしたのが稽古では二束三文のシビルウォーでは練習台として不足。対して、渾身の追い切りでは鞍上の合図に即反応、弾むようなフットワークで真一文字の伸び。これが本来の姿。

なお、底を見せていないアンアヴェンジドは坂路。コーナー4回が意外にも消耗を呼びそう。復活を期すガイヤースヴェルトの水曜追いはDコース。ゴール前の弾け方が少し物足りなかった。

プロフィール
柴田卓哉

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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