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競馬コラム

美浦追い切りレポート

2019年03月21日(木)更新

人気の4歳勢に割って入れるデキ ナックビーナス

ともに2連勝でここに臨む4歳2騎が支持を集める高松宮記念。特に、モズスーパーフレアは中山なら1分7秒台をコンスタントにマークできるほどのスピード。また、矯め逃げでは持ち味を出し切れないことを把握した段階だから、別の意味で新味を出しつつある。となると、それに食い下がったナックビーナスも覇権争いに加わるということ。
 2年前から一気に着順を上げた昨年からでも地力強化を実感。現に、初重賞をゲットしたキーンランドCでは自らがレースを引っ張る形でダノンスマッシュを封じている。今回、レース間が詰まった分、始動は先週の金曜と遅いが、前回同様にポリでの長目追いが最終調整。道中からして痺れるような手応えで直線に向いても同様ながら、上がりで36秒2をマークしたように気配絶好で身のこなしもゴムマリの如く。高いレベルをキープできる反面、詰めの甘さといった点は気懸かりだが、目下の充実ぶりを買わぬわけにはいかぬ。


 あと、関東で俎上に載るのはデアレガーロ。+32キロだった京都牝馬Sで鮮やかな抜け出しを演じたからだ。正直、多少は重目が残っていたとしても成長分を含めればパワーUPは歴然だし、能力のほどはマイル1分32秒5の持ち時計が示す通り。大竹厩舎の直前だけに4Fスタートと感触を確かめる程度でも半マイルからして14秒を切って3Fに至っては37秒台。確かに、追走に脚を使わされると脆さを露呈するやもしれぬから、総合点では△に入るか否かの当落選上。唯、ピークを思わせるデキに一票投じたくなった。


 西下する他からはまず中京・熊野特別のパルクデラモール。前走はソツのないレース運びが求められる舞台だったにも関わらず、戸崎が動くべき時に動かなかったことで完全に脚を余した。華奢な牝馬という第一印象とは裏腹にスタミナを売りとするタイプだけに、距離延長と広いコースに替ることでフル回転となろう。行き出し5Fから内にもぐり込んでの捌きは実に力強くて使いつつの上昇は明らか。定量での1キロ増しを補って余りなる。


 もう1頭は阪神・六甲Sのアップクォーク。1月以来の短期放牧明けとなるが美浦入り1本目に6F追いを消化できたように進捗状況は目論見通り。重厚感のある馬体がはち切れんばかりなのが何よりだし、ビシビシ攻められている点が軌道に載った表れ。それは追い切りも同様で、5Fで4馬身先に行く僚馬を猛然と追いかけての併入。脚色こそ劣ったが5F67秒を切る時計で態勢を整えた。今回が初のマイルとなるが、元々が如何に脚を矯めるかに苦心するシーン多々。自然体の追走でもラストで切れを生かせることによって更なる高みが見えてきそう。


 中山は土日のメインが重賞という豪華版。特に、土曜メインは天皇賞に繋がる上に、伝統あるGⅡ。一連の流れから明け4歳が優位に立っているのは明らかで、エタリオウが最右翼。無尽蔵にスタミナを味方に早目に仕掛けも可能だから安定味◎。これに対抗できるのが同世代のゴーフォザサミット。実際、昨春の青葉賞でエタリオウを負かしている。
 上の世代との初対戦だった札幌記念からトーンダウンして菊花賞TRでも振るわず。しかし、2400で2分24秒台だった春後半の反動があったのは想像に難くない。だからこそ、アッサリ見切りをつけたのだ。その効果は覿面でスムーズな動きに様変わり、また、元々が速い時計を必要とするタイプではなく、2月中旬からは判で捺したようなウッドでの併せ馬を繰り返せただけでも充電の効果が窺えるのだ。コーナーを如何にこなすかが鍵でも関西勢の牙城に迫るのは間違いないところ。


 狙って面白いのがサクラアンプルール。最終追いは横山典が跨っての5F71秒8。が、追走して外、ラチ沿いと負荷のかかるメニューを課せられてもラストまで揺るぐシーンなしといった安定ぶり。十分に間隔を開けた結果、ゆとりを持って調整を重ねた効能が表れている。外々を回らざるを得なかった有馬記念でさえ0秒7差に過ぎぬ上に、昨年と異なり、1月以来というローテで変り身は十分。昨年の無念を晴らして不思議ない。


 日曜は、例年通りに掴み処のないマーチS。最初に触れなければならぬのが連覇を狙うセンチュリオン。稽古駆けしないことにかけては美浦随一といったほどで、最終追いを含めた3本の併せで全て遅れ。とはいえ、ひと追いごとに自身の時計は詰めて直前は5F68秒2。2馬身遅れでも動いた部類と見做して良いわけだ。けれども、ラストで体を使おうとするトモが流れがちで、前に進むパワーが伝わらない印象が強いのだ。昨年ほどの勢いがない状態でのトップハンデは、文字通り荷が重い。


 昨年は1番人気に推されながら痛恨の出遅れで不完全燃焼に終わったのがハイランドピーク。その雪辱を果たすのが陣営としてもメインテーマだと推察するに、総武Sは格好の叩き台。
 そこでは、やはりスタートで安目を打って自分の型に持ち込むまでに手間取った。更に、強引に進めた結果がラスト1Fの13秒5。つまり、自ら墓穴を掘った形。従って、試走とすれば上々だし、実際に急ピッチ。ブランク明けでも坂路で好時計をマークできていたほどだが、ウッドに切り替えた今回は背水の陣。直前でも行き出しが15秒を切って緩めるシーンなし、6F81秒7を楽々マークしたのだから本物。坂路や北馬場、更にポリと試行錯誤だった昨年の上半期でも片鱗は見せていた。唯、抑える形もOKと幅が広がったのが、同様にウッドで攻めに攻めた6月・阪神。当時よりリズミカルで重厚感を醸し出している。


 中山の他では日曜10Rのクレッシェンドラヴ。ここが昇級2戦目で前走が肢を余しての3着とあれば順番が巡ってきたと捉えて良い。長距離での好走歴からステイヤーと見做す向きもあるが、少々胴の詰まった体型。しかも、転厩後のメニューが合うのか、シルエットが明確になると同時に切れが増している現状がある。それは、ここに至る過程が示す通りで、5F67秒を切る好時計で先行する外をアッサリ捕えての2馬身先着と文句なし。頭数のわりに将来性豊かな4歳を始め、メンバーが揃った中でも迷うことなく中心視する。


 平場からは3歳500万下で土曜6Rのゴルトマイスター。復帰戦はまだ暖かくなる前で550キロを超える巨漢の仕上げには注文がつくし、実際に乗り込んでも体をほぐれぬ感じ。それが出脚の鈍さに繋がった上に、脚抜きが良い馬場でのスロー、更に勢いを取り戻した4角で外に振られる不利と三重苦。2着に迫ったのは力のなせる業。対して、1週前には古馬1600万下を相手に余裕の手応えに終始したし、最終追いもラストは追い比べになっての5F67秒8。引き締まった故に全身を使えるようになった。今季、未勝利と意外なまでの不振に喘ぐ手塚厩舎。仮に、この馬で取りこぼすようならトンネルはまだ続きそう。




柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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