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競馬コラム

美浦追い切りレポート

2019年06月27日(木)更新

距離短縮でピタリと折り合えるアドマイヤスコール

今週からのウッド閉鎖によって坂路や北馬場に分散した為、南馬場は追い日とは思えぬ過疎化ぶり。まだローカル滞在が全盛だった25年ほど前の夏場にタイムスリップしたかのよう。

東西ともに開催場所が替っての1週目、中京はサマースプリントシリーズの第二弾がメイン。奇しくも、高松宮記念の2、3着が揃い踏みでいずれも美浦からの直前輸送。中でも単走で追われたショウナンアンセムは抜かりない仕上げ。体調の良さを如実に伝える毛ヅヤ、馬体のハリに加え、コースは違えど2週にわたっての6F追いを敢行できたからだ。1200mに転じた2戦目のGⅠで結果を出したのは、立ち回りの上手さを最大限発揮できた故。その適性ぶりと底を見せていない点を素直に評価すべきではないか。

逆に、前走で復活したセイウンコウセイの実質の追い切りは金曜。ウッド専門で馬を造るだけに、そのコースに拘って長目から追えた点には好感が持てるが、変則的なのは事実だし、本数が少ないわりにスッキリし過ぎていることも気に懸かる。開幕週でのトップハンデ58キロは軽く扱うのが妥当か。

先述のショウナンAは当然ながら◎候補に。あとはレッドアンシェル。初のスプリント戦だった4月・京都で流した程度ながら1.07.3秒だったのが凄いし、軽快さだけが売りでないのはNHKマイルCでの1.32.9秒が示す通り。それが左回り、直線の長い中京の1200mが似合う所以。

この時期の3歳重賞でハンデという要素が加わるラジオNIKKEI賞は例年通り頭を悩ませる1戦。勿論、斤量に反映されるのは実績だから、既にGⅢ勝ちを果たしている57キロのランスオブプラーナには相応の敬意を払うべき。唯、年明けからの急激な上昇曲線があっても広いコースでリズム良く運べたという側面も。急がされる小回りで消耗を抑えられるかといった点で疑わしい人気馬。

2勝クラスという立場で格上挑戦となるグループには軽量の恩恵を受けられる。現時点での能力差に大きな隔たりがない以上、そういった要素を抽出して狙いを立てるのが得策に思える。その筆頭として挙げたいのがアドマイヤスコール。ダービーを目指して青葉賞で頓挫したといった経緯はあるが、そこでは押して出したのが裏目に。制御が利かずに深追いする形に陥ったからだ。しかも、脚の上がった直線を見る限り、2400mは限界を超えていたとも。唯、目標を切り替えての放牧帰りからして洗練された馬体に。それを実感できたのが先週のウッドで、使う直前にあった3勝クラス(実際に勝ち上がってのOP入りが叶ったスウィングビート)に食い下がったのだ。脚色劣勢は5Fで2馬身追走した分で、大幅に質をUPさせたメニューをこなせたということ。

それを取り上げるなら1月・セントポーリア賞ラインということでインテンスライトも俎上に。こちらも直前は坂路(4F55.1秒)で時計的には感触を確かめた程度。けれども、中間には以前の硬さが微塵も感じられぬフォームを見せつけている。実が入ってきたと捉えるべき。

コース替りがきっかけとなりそうなマイネルサーパスの首位争いは必至。何せ、昨秋・福島で1.46.2秒のレコード勝ちがあるのだ。暮れのGⅠ以降のブランクが応えたのがここ2走で、ダービーなどは荷が重かったと同時に自身の範疇外。その反動がないどころか、復帰戦で今一歩だった反応とは雲泥の差だったのが1週前のウッド。漸く本物に。

取り扱い難しいのが、スプリングS以来となる2騎。そこでの3着がディキシーナイトで今回の過程では坂路を選んだ。勿論、最終追いで4F51秒を切ったほどだから、照準を合わせてきたのは確か。けれども、スプリングSは前を窺う位置からが断然有利だった。幅が出たとは実感できても、より出入りが激しくなる福島で信頼を置けるかという問題が。現に、昨秋の2歳500万では案外な伸びでマイネルSの後塵を拝した。皐月賞TRの好走でハンデが重くなったことも減点材料。

それならばヒシイグアス。1月以来となった前走、十分な乗り込みで態勢を整えたように映ったが、結局はマイナス体重での出走。しかも、そこに至るまでの併せ馬がオール先行態勢だったことも考え合わせれば本物でなかったと結論づけて良いわけ。

対して、今回は多少立派に映るぐらい。これを成長分と見做して良いのは、負荷をかけられた中間があるから。シッカリとラストまで気合いをつけた1週前は4F51.7秒、上がりに至っては37.3秒と速い。その数字が語る通りの鋭さで古馬OPを追走しての併入と一気のレベルUP。恐らく500キロに近い体での出走となるが、増えた分で持ち前の身体能力を生かし切ることになろう。

特別戦で取り上げたいのが土曜9R。コースを問うことなく崩れていないレッドイリーゼは好調キープ。3頭併せの最外だったポリで1F12.3秒と実にシャープだったからだ。反面、ワンパンチ足りないのは事実で、成長度に重きを置いてジョーヒデキラを上位に。前走は人気に反する4着。が、1分33秒台突入という決着、落差の大きいラップバランスに翻弄された形。つまり、持久力が売りで1Fの延長が功を奏する筈。また、水曜にポリ周回のみと直前軽目だが、これは中山でのGⅡ5着時と同パターン。ストレスを与えないメニューに工夫が見て取れる。

もう1頭の候補がグロオルロージュ。こちらは直前での3頭併せを敢行。確かに、最外に及ばずのフィニッシュだったものの、3頭縦列の最後尾からで5F66.1秒は最速。しかも、胸前が発達したのがリフレッシュ効果。フォームがダイナミックになったのだ。福島に対する適性ぶりは4月の2.0.2秒が物語っているし、1800mに替ることでメリハリのあるレース運びになりそう。

平場戦では日曜12Rのフィルムフェスト。休養を挟んだここ2走の中山では突き抜けることがままならずに3、2着。とはいえ、いずれも僅差で追っての味に非凡さを感じるし、その時点ではセーブ気味の仕上げ。冬場ながら馬体が増えなかったのが誤算でもあった。対して、直前の坂路でラスト12.5秒をマークできた上に、1週前のウッドで6F追い。行き出しで1秒5前を行く同じ3歳に対して推進力の違いを見せつけた挙句の2馬身先着と成長著しい。フラットなローカルなら一層切れそうな小気味良さとひと回り大きくなったと実感できる全体像が何とも心強い。






柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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