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競馬コラム

美浦追い切りレポート

2019年08月29日(木)更新

【新潟記念】ハンデに裏づけられた実力を重視

サマー2000シリーズの最終戦となる新潟記念となれば、ボーナスを手に入れられるポイントを獲得しているカデナにどうしても目が行く。何せ、快進撃を続けるメールドグラースに対して0.2秒凌ぐ上がりタイムでのクビ差が前走である。完全復活と捉えれば3歳時のGⅡ勝ちや、2歳秋の府中で発揮した強烈な決め手が光を帯びてくるわけ。小倉記念からの1キロ増も気にならぬ。

唯、美浦でも虎視眈々といった面々が。その筆頭はレイエンダで、OP入りした直後とは別馬。その時期は経験不足を露呈したし、マイル路線に色目を使ったりとどこかチグハグ。唯、エプソムCの鮮やかさを見れば、集中力の問題だったのは明らか。そう、チークPで劇的に変わったわけだ。また、ここを見据えての始動で、追い日の坂路はオール12秒台と、ラストで弾けた前走をイメージできる調教内容だから、連勝を視野に入れたと考えて良い。

同様に、ハンデを背負わされる立場でも再び勢いを得たのがダイワキャグニー。容易には崩れぬようになったのはブリンカー効果のみでなし。体の使い方自体が変わって実にダイナミック。ポリでの最終追いは感触を確かめる程度で十分なほど仕上がりで、楽走といった印象ながら1F11.9秒と研ぎ澄まされた。2000mに関してもプリンシパルSでの1分58秒台があって、それが春の高速ターフ。新潟が合わぬわけない。

休養を挟んでの3連勝でここまで昇りつめたカヴァルは底知れぬ。良血満開の予感までする。特に、中京は着差以上の強さで、フォーム自体が変わってきたことで更にレベルUP。けれども、もうひと追い欲しいのも事実で、その点に引っかかりを覚えるし、54キロは少々見込まれた。

同じ昇級初戦であればフランツであろう。昨年、京都新聞杯で躓いてから長いブランクがあった。が、復帰後は期待に違わぬ過程を踏んでここに辿り着いた。特に、前走などは1分45秒を切る出色の時計で、際どかったのはスローでの待機策ゆえ。前が楽に運んでもそれを遥かに上回る切れが身上。初なる新潟なら更に。

あとはサトノワルキューレ。休養前の1戦は二桁着順に終わったが、距離不足に加えての1.30.5秒という途方もない速い決着では出番がなくて当然。フランツと同じく、自身もユッタリと運んでこそ持ち前の決め手に磨きがかかる。ベストの距離に戻しての平坦替りと状況は大幅に好転。

土曜メインは3勝クラスのマイル戦。ここは栗田轍厩舎の2頭を取り上げたい。朝一番の芝コースがその組み合わせで、特にアントリューズの勢いは天井知らず。決してヒストリアのレベルが低いわけではなく、こちらは道悪に泣かされた中京からの立て直しが功を奏して鋭い身のこなし。それを遥かに上回ったのだ。行き出しからして鞍上との呼吸がピタリと合ってセーブしつつ。更に、前を捕らえんとした4角から圧巻で、以前より厚みの出た前躯を余すことなく使って矢のように伸びたのだ。結果、ラストが持ったままでの11.6秒。完成途上だったとはいえ、適性の問題と感じさせたのが春・毎日杯。つまり、現状では左回り限定といった面も見え隠れするから、最終週の新潟に照準を合わせてきたといった点でも優位に立つ。

土曜の他では飯豊特別のセイウンリリシイ。満を持しての出走と思わせた春・新潟では15着と退いた。激しい鍔迫り合いがあっての前崩れとなっただけに、展開に泣かされた部分があったとしても案外。唯、本数をセーブしたのに直前の中山からだと-8キロと誤算があったのだ。

対して、今回は福島を叩いての臨戦となって、そこでは道悪がネックになった反面、消耗がなかったのが何より。現に、透き通るような皮膚の薄さとはち切れんばかりの体を誇っているのが目下なのだ。いつも通りの単走だった追い切りなどは、4Fから13秒台とギアUPした勢いそのままの直線、上がり36.3秒でのフィニッシュだったから目を瞠る。全2勝を挙げている新潟といった以上に、そのいずれもが夏場。季節限定のコース巧者ということ。52キロのハンデなら後続に影を踏ませないまである。

同じ芝・短距離戦で日曜からは雷光特別と取り上げる。ここは3歳2頭の世界。まずはバカラクイーンで、初の直線競馬だった前走で初勝利をマーク。その56.1秒を詰めなければならぬし、減量の利かない条件だけに1キロ増となる。が、ラストは流す余裕さえあっての5馬身差は並大抵でない。芝1200mでも崩れないといった下地があった挙句に適性を見極めたのだ。バランスが格段に良くなったと見受けられる全体像。中1週でもシッカリと追って完全に軌道に載った。

4ヶ月近いブランクがあるグラウシュトラールも速さ自慢。オール坂路だが、コースで見せる姿に太目感はないし、スプリント気質が表れている仕草にも好感が持てる。追うごとに時計を詰めた結果の直前が4F53.5秒。何より、春・新潟の時計優秀でそれが相手の揃った中。そこからの2キロ減まである。1勝クラスで苦しむシーンなど思い浮かばない。

平場戦からは3歳未勝利を。今年から1開催前倒しになって今週がラストチャンスと追い詰められた状況だけに、より激しい攻防になりそうだから。

素質に関して疑いの挟む余地なしといったのが日曜6Rのデナーダー。冬場に目論見通りのデビューが成ればアッサリ勝ち上がっていたであろう。仕切り直しがあってのこことなったが、2週連続の坂路で52秒台をマークと能力の片鱗を見せている上に、2週前のポリでも弾力性に富んだ身のこなしを披露できた。唯、余裕のある造りなのは動かしようのない事実で、どうにか間に合わしたという側面も。まあ、元値が違うかもしれぬが…。

より確実なのがシバノテンショウ。如何にもひ弱といった印象だったデビュー当初とは別馬と見紛うばかり。その萌芽は、前走の1.34.2秒に表れているが、より丁寧な過程を踏んだのが今回。勿論、未だに馬を追い込むような仕上げは叶わないが、柔軟性が出た故の伸びやかなラストで、大きく先行して単走だったOPのダイワキャグニー、同時入線だった2勝クラスのダイワギャバンに全く見劣らぬ動きだったのだ。少なくとも、未勝利にとどまるような素材ではない。  


 

柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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