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競馬コラム

美浦追い切りレポート

2019年09月26日(木)更新

【スプリンターズS】秋のGⅠ初戦を展望する。

秋のGⅠ第一弾となるスプリンターズSは、例年通り一筋縄とはならない模様。これは、東西、世代が入り混じるとともに、各地でのサマースプリントシリーズの合流点でもあるからだ。その中で断然の注目株はタワーオブロンドン。直近のセントウルSが目の覚めるような脚で強烈なインパクトだったからだ。
スプリント路線に転身しての3戦目で漸く流れに対応できるようになったということ。問題は、結果的に押せ押せのローテを強いられる点。唯、軽目ながら坂路で丹念に乗り込めたし、直前はDWに転じた。水曜の朝一番に口火を切る形で単走となって行き出しは5F。鞍上とのコンタクトがスムーズで、定石通りのペースUPだったし、外ラチ沿いだった直線では実にダイナミック。前回時より歩様は硬めだが、結果に大きな影響を与えそうにない程度と危惧するまでもない。むしろ、短距離馬としての開眼に重きを置くべき。


セントウルSの結果で俄然クローズUPされたのが札幌・キーンランドC。殊に、函館SSでのアクシデントがあった上でも通過点に過ぎなかったダノンスマッシュは凄い。実際、春よりひと回り大きくなった印象だったし、二段ロケットのようなラストの加速で着差以上といった形容がピタリ当て嵌まる。けれども、本当に強いと実感させてきたのが前回及び、京都。杞憂かもしれぬが坂のあるコースへの不安は拭えないのでは。


それならばリナーテ。こちらもタワーオブL同様にスプリンターとしてのキャリアが浅い分、伸びしろ絶大。札幌でもダノンSを意識する余り、動き出しが微妙にズレたとの解釈が成り立つ上に、コースロスも。1週前には坂路で自己ベストを更新する49.0秒をマークしたように充実一途といった点には確信が持てるし、逃げ宣言のモズスーパーフレアが引っ張るとなれば前半3F33秒を切ること必至。大勢逆転の材料には事欠かぬ。


【0-0-0-2】と中山に苦手意識のあるセイウンコウセイには普通なら食指は動かぬ。しかし、目下絶好調といった調教を見せつけられては取り上げないわけにはいかぬ。何せ、しまい重点で体裁を整えるといったパターンをかなぐり捨てているのだ。直線でビッシリ追った直前然り、1週前には外ラチに触れんばかりのコース取りながら真一文字に伸びた1F11.1秒の速さ。過去2回との違いは間隔を詰めての臨戦で、これが刺激になれば不得手なコースを克服できるかも。


当然ながら3歳にもスポットを当てなければならない。確固たる下地+斤量利で上位を脅かすことが可能だからだ。北九州記念とは一変したレース運びで辛抱強く2着に食い込んだのが前走のファンタジスト。この世代を最上位と捉えたいが、面白いのはイベリス。秋初戦が充電効果を実感させる造りだったし、ハナに行けない状況に追い込まれても踏ん張った。直線では外から被せられる厳しい形を強いられもしたのに。一介の逃げ馬から脱却がアッサリ達成させた点に非凡さを感じるし、経験値UPが何とも心強い。


土曜メインは3勝クラスのマイル戦。戦法が限られている分、展開に注文がつくレジーナドーロにとっての新潟は辛い。逆に、坂を控える中山なら瞬発力で優位に立てるし、しまい重点での1F13.2秒だった最終追いにしても活気に溢れていた。


それでも、ここは3歳を重視したい。坂路専用のルガールカルムは直前で52.4秒とシッカリ攻められたし、春・中山でのリステッドLで2勝目マークという事実が素質を物語る。
しかし、牡馬のヴァッシュモンも負けていない。確かに、気の良いタイプで、当距離は守備範囲から少々外れている。それでも、年明けの時点で1分33秒台があるのは並大抵でないし、何より華奢なイメージを拭えない段階だったのだ。対して、大人びた感じでの帰厩でドッシリ構えられるようになった。現に、ここに至る過程ではいずれもコントロールが容易くなったと実感できたし、最終追いに至ってラスト11.9秒。基礎体力がそなわったことで以前とは全く異なる身のこなしであった。その成長ぶりを素直に受け止める。


日曜の特別戦からは2勝クラスの鋸山特別を。まずピックUPしなければならぬのがロジティナ。前崩れの展開だった夏・福島で2着と現級に目途を立てた以上に、大飛びなのに小回り克服といった点に充実ぶりが表れている。しかも、更なる攻め強化があって2週連続でのDW5F67秒台と仕上げに寸分の狂いない。このライバルというか、◎まであるのが昇級戦になるグリニッジシチ―
2着以下を圧倒した開幕週の1.53.6秒でさえ、大幅に詰める余地を残しているからだ。加えて、マイナス体重だったのは去勢の為で、それを含めれば余裕のある体つき、過程もそうであった。従って、恰好の叩き台と捉えられる。追い切りこそ2歳に対して大きく先行しての5F71.0秒だったが、最後まで集中を保った走り。少しでも気分を損ねるとバタバタになっていた春とは別馬だということ。その段階の3歳1勝クラスでも結果を出せたほどだったから、元値自体が当クラスの遥か上を行く。


2歳戦は2鞍組まれている特別戦が興味深い。まず、さすがOPといったメンバーが揃ったカンナSから。人気を集めるのがアルムブラストといった点に依存はない。新馬戦にしてはタイトな流れだった6月・福島では加速するまでに手間取っても2着確保、長く脚を使っての完勝だった新潟に非凡さを感じる。また、シッカリと鍛錬を積んでいると伝わってくる過程にも好感が持てるのだ。先週の遅れにしても古馬を追走した分だし、直前のポリでは4Fからスムーズに加速して滑らかなフォームに終始したのだ。
しかし、敢えて狙いたいのがトロワマルス。なし崩しだったのが新潟2歳S。これは、デビュー戦が新潟への往復、反動ゆえに中間は妙にハイテンション。反動を捉えられるわけ。対して、この中間は平常心を保ったまま調整を進められたのだ。現に、追い切りは行き出しからセーブが利いた上に、抜群のスピード感でラストの捌きも実に鋭い。広いDWで定石通りのメニューをこなせたのが何よりだし、体調の良さが毛ヅヤに示されている。前向きな気性で切れ味満点といった面は距離短縮でこそ。


最後が日曜・サフラン賞のマジックキャッスル。前走が好時計勝ちの関西馬もいるメンバーだが、牝馬限定の自己条件となれば、あくまでも通過点。軽く吹かしただけで後続をチギったデビュー戦の道中が自然体。センス抜群で距離に対する融通性を伝えるには十分だったし、垢抜けた好馬体からも将来性豊か。間隔は開いたが、始動からは単走で、リラックスさせつつピッチを上げてきた過程には好感が持てる上に、仕上げの最終追いは3頭併せの大外で内の古馬とは脚力が違うと思わせるラストの12.5秒。2Fの延長が他との違いを際立たせる筈。




柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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