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競馬コラム

美浦追い切りレポート

2019年12月05日(木)更新

【阪神JF】一角崩しならマルターズディオサ

2歳牝馬のGⅠは、一騎打ちの様相を呈す。一方のクラヴァシュドールが、2戦目のサウジアラビアRCで2秒以上も時計を詰めて1.32.9秒をマークしたかと思えば、片やリアアメリアには非の打ちどころなし。いずれも、阪神のマイルでデビューを飾ったように、既に当舞台を経験している強味もあるから、今回で能力を削がれることなどないだろう。


特に、決して目立つタイムではなかったアルテミスSのリアアメリアだが、ピッチが上がらぬまま進んで、レースの上がりは高速の33.7秒。出遅れながら捻じ伏せたのだから凄いし、そこでは関東への輸送があっても+20キロ。余裕残しの仕上げだったのは明らかで、ここに向けての試走として捉えれば百点満点。


同じように無傷の2連勝で駒を進めてきたのがウーマンズハート
いずれも上がり32秒台といった切れ物で着差以上の強さが伝わってきた。唯、今回は坂のある阪神。これまでは、極端なスローで自身も脚を温存できたからこその鋭さだったと言えまいか。先の2頭には一歩譲るとの見立て。


夏・新潟の初戦は、そのウーマンズハートの後塵を拝したマルターズディオサ
その一点だけでランクを下げるのはどうか?何故なら、直後からはそれを糧にしてステップUPを果たしてきたから。殊に、中山での差し切りは圧巻で、並ぶ間もなく交わした2着は11月のファンタジーSで連に絡んだほど。
つまり、デビューした時点では完成度の違いに過ぎなかったということ。実際、そこでの過程は坂路中心で見切り発車といった要素もあった。対して、今回は帰厩後の1本目を除いて全てコース追い。中には広いDWでの速い時計まであるのだから、9月からだけでも大きな上積みを見込んで良い。結果、直前は輸送を控えているにも関わらず、ポリでの5F追いで上がりに至っては37秒を切っても無理した素振りは皆無。実にキビキビとしたシャープな捌きで切れに磨きがかかったと確信できるまでに。一角崩しも。


他場で組まれている重賞で取り上げるのは、栗東勢に馬場を貸すだけといったカペラSより、中日新聞杯。まず、下馬評の高い3歳馬から。


安定した取り口でアンドロメダSを勝ち上がったマイネルサーパスは軌道に載った。
前をいつでも捕らえられるといった道中から手応え通りに弾けたから、着差以上と言えるし、初の京都を難なくこなした点にも好感が持てる。レース間は詰まったが、遠征の反動など微塵も感じさせないハリを誇る上に、追い切りは闘志をかき立てるような3頭併せで余力残しと文句なし。問題は、緩やかで広いコースの2000mに対して実績を残していない点。勿論、2週目で絶好の芝コンディションは大きなフォローになろう。が、現状ではフラットなコース限定で、前回からの2キロ増しは楽ではない。


ラストドラフトは思い通りのローテが叶わぬ現状。
唯、全く動けなかった復帰戦からの立て直しに余念がないのは確か。何せ、師自らが跨って他には任せてはなるものか、といった姿勢を貫いてきたのがこれまでだったが、中間にはマーフィーを背にハイラップを刻んだ併せ馬もあったほど。けれども、最終追いでの追走併入はコーナーで距離を稼いだ結果。ゴール前の迫力は前回以上だったとはいえ、年明けの勢いには及ばない。


ここでの◎はサトノソルタス
OP入りしての初戦でハンデが見込まれた気がしないでもないが、そもそも前走の3勝クラスがメンバー充実。その中でしぶとく脚を使えたことに価値を見出せるし、体のラインがよりシャープになって本格化の兆しさえ感じるのだ。加えて、単走だった最終追いではブリンカー着用で集中力を保ってのラストは12.9秒という数字以上の見た目。脚元の不安での長期ブランク、それ以前には共同通信杯での2着があったのだ。その元値にスポットを当てるべき。


それを含め、勝負処は土曜の中京だと思っている。中日新聞杯からの返す刀で12R。


ここはサンノゼテソーロで仕方ない。
7月以来となった秋・福島では痛恨の出遅れ。しかし、とても届きそうにない位置から直線だけで0.1秒差に迫ったのだ。スンナリ先行してこそのタイプが馬混みにも怯まなかったことに精神面の充実を実感できたし、当然ながら経験値もUP。更に、今回の最終追いにはDWを選んで3勝クラスを追走する形だったのだ。確かに、行き出し4Fのしまい重点に過ぎなかったが、軽目をジックリと乗る田中博厩舎であれば速い部類で、右回りで外に張り気味でもゴール寸前には回転を速めていた。つまり、ハミに対して右の口が硬い分、現状では左回りでこそ。何より、前躯の豊かになった筋肉量が示す通り、スプリンターとしての完成域に近づいたとの確信まである。


人気薄で面白いのが、つわぶき賞のカイトレッド
ここ2走は流れに乗れないまま終わったということで力を出し切っていない。しかも、GⅡ→自己条件で優位に立てるのは確実なのだ。勿論、熱心な調整ぶりも根拠のひとつ。一気にハードルを上げた稽古内容がそれを雄弁に物語っている。5Fからビッシリと併せた1週前でも感心しきりだったのに、追い切りは入りからして15秒切るラップだった挙句の5F66.2秒とまたまた時計を詰めたのだ。それも前2頭とは3秒以上あった差を挽回して。はち切れんばかりの馬体になったからこそ踏める過程。このデキなら展開に翻弄されぬポジションからの競馬でもOK。


中山は2歳戦を中心に。


まず1勝クラスの日曜7Rからロンゴノット
府中の最終週には痛い抽選除外があっての仕切り直し。当然ながら、その時点でも態勢を整えていたから、ラスト2週が微調整程度で十分。それでも持ち前の身体能力を存分に生かしたアクションには惚れ惚れさせられた。特に、全くの楽走といった印象でも4F51.6秒。3角手前からDW入りしての即スイッチONといった変り身の早さは素質のなせる業で、デビュー前との比較なら首を上手く使えるフォームになった点も心強い。


芝中距離の未勝利戦では日曜4Rのクロスセル
夏・新潟では振るわなかったが、当時は現地での調整が応えた部分がある。また、歩様が硬くて攻め切れないままのデビューだったから度外視できるわけ。対して、ひと追いごとに時計を詰めての最終追いが5F67.4秒。加えて、相手が古馬2勝クラス。それを追いかける行き出しがあって半マイル過ぎからの加速が実にスムーズ。これは伸びやかな動きがあればこそで、初戦とは雲泥の差。


日曜3Rのスプリント戦はユールファーナの出番。
満を持した9月は強調点の見当たらぬ7着。が、除外で出走が延びた分、半ば気が抜けてしまったような状態。レースに行ってもトモが流れるフォームで推進力が伝わっていなかったのだ。段階を追ってレベルUPする過程だった今回と違うわけで無視して良い結果だったということ。デキのほどはラストの3頭併せに表れていて、ゴール前では外を窺いつつの姿勢に終始。リズミカルでスピード感◎とリフレッシュ効果は計り知れない。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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