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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2020年04月02日(木)更新

大阪杯・柴田卓哉の調教予想

想定段階で12頭に過ぎぬ大阪杯だが、その密度は高い。年明けのアメリカジョッキーCCで力の違いを見せつけたブラストワンピースの存在があるから。
仏帰りで困難さ伴う冬場の調整という二重苦。実際、550キロに近い体重だったのだ。つまり、有馬記念以来のぶっつけだった昨年とは違うということ。
問題は1週前の動き。4F手前で前との差が殆どなくなった態勢ながら格下に対して脚色で大幅に劣った。ただ、昨年から稽古で本気を出さなくなったという、ある意味で枯れた印象も。
大竹厩舎の定番通り、長目追い→終い重点のパターンを経て直前には体を大きく使った上での3Fは37.0秒。立派だった前週からの良化ぶりが伝わってきたのであれば実績を素直に受け止めるべき。

しかし、ここでの◎はダノンキングリーを措いて他なし。
3歳時に比べ、全体のバランスといった点で明らかに優れているからだ。加えて、負荷を存分にかけた結果の最終追いが内目で流す程度といったパターンも前回時同様。とはいえ、他厩の前2頭を瞬くに抜き去った直線は正に翔ぶが如く。痺れるような手応えのままの5F65.6秒には息を呑んだ。阪神内回りで持ち前のセンスが際立つだろうし、ワンランクアップを実感させた今季初戦もある。GⅠでのシルバーメダルはもう要らぬ。

ダノンキングリーを主役とするのであればラッキーライラックにも敬意を払うべし。
昨夏を境に大きく体を増やして牝馬とは思えぬ逞しさが、前哨戦は余裕残しだった分、追い出されてから反応するまでにはタイムラグが生じることに。ただ、最後の最後でグイッと伸びた辺りが底力だろうし、ここに至る過程で始動が早かった点でも上積みは絶大。

けれども、同じ牝馬となればクロノジェネシスにより大きな魅力を感じる。
対ラッキーライラックということなら、エリザベス女王杯で遅れを取ったが、当時は秋華賞で燃焼した直後。それよりも年を跨いでの初戦、日経新春杯に目を向ける。そこではジャパンカップで惜敗だった同世代の牝馬に対して有無を言わさぬ圧倒ぶり。それも、1キロ重い別定重量だったから驚く。元々が切れを身上してきた馬。速い時計での決着なら大金星まである。

他ではワグネリアンと言いたいところだが、少々低調なメンバー構成だった昨11月でひと押しが利かなかったのが玉に瑕。要するに、3歳秋の神戸新聞杯以降、4戦しか消化できないように、経験を重ねることができない弱みは如何ともし難い。従って、惜しくも届かなかった昨年の当レース3着など鵜呑みにできないし、右回りの当距離ということでサンプルにすべきは、むしろ札幌記念。そこでのブラストワンピースとの差は更に広がるのでは。

ここからはランク的に劣りそう。
大阪杯ゼッケン2頭の併せ馬という、見た目豪華版だったのが堀厩舎の終い重点。ともに4F行き出しで推進力は文句なしで地力強化ぶりが伝わったのは確かだが、サトノソルタスの前走は超スローを味方に引き入れただけと言えるし、ジナンボーのOP実績はローカルのみ。ここに入ると家賃が高い。
それならばロードマイウェイ
ゲートが致命的だった上に、63.6秒の1000mに嵌っては仕方ないとして良いのが金鯱賞。元々、2歳10月のデビューから快進撃開始までに。時間を要した経緯を振り返れば叩き良化型と見做せるのだ。詰める余地ありの2走前の時計からも三連系の対象にはなり得る。


中山メインは土曜のダービー卿チャレンジT。

トップハンデ57.5キロとなるマイスタイルには一目置くべきだろう。
ここ2走、上手く息を入れられぬ形になった故に案外だったが、少し遡ればマイルチャンピオンシップでの4着が。たsだ、昨年(3着)からというなら、そこからの1.5キロ増し。少々分が悪くなるのでは。

ここはプリモシーン
当レースでマイスタイルに先着している上に、それとの斤量比較なら0.5キロ貰っている勘定にもなる。確かに、昨秋の不振には目を覆うばかり。しかし、東京新聞杯で完全復活。木村厩舎にしては異例の6F追いが直前と背水の陣が実を結んだ。今回はルーティンに戻した分、そこまで切羽詰まったといった感じはしないが、逆にスランプ脱出を実感できたからこそのゆとり。現に、馬の気に任せた感じの直線では首を上手く使って気持ち良さそうに駆け抜けた。無理のない形での1Fが11.7秒の切れ。ヴィクトリアマイルに向けてのジャンプアップが叶う筈。

レイエンダを見限ってはいけない。
一旦は先頭を窺いながら急速に止まった前走は+12キロの重目が全てと総括できるからだ。なるほど、直前の併せ馬で反応し切れずに遅れと調整が遅々として進まなかった。対して、水曜の朝一番では徐々にピッチを上げる理想的なラップを踏んで先行馬を測ったように抜き去った。シャープなシルエットに一変の予感が。

狙って面白いのがイレイション
こちらにも叩き2走目の効果を見込めるから。先週、イキの良い明け4歳を相手にしたことでスイッチオン。それを経て引き締まったし、一杯になる外に対して痺れるような手応えのままでラスト12秒を切れたのだ。鋭さが蘇った上に、脚質転換を図った直後で新境地開拓を予感させるのは十分。少々見込まれた56キロでもマークしておきたい。


他では土曜の3勝クラス、湾岸Sのエアジーン
昇級初戦での2着が前走と軌道に載った。しかも、逃げ切った馬のペースにあって力強い伸びを見せたのだから正真正銘。確かに、戦法は限られているが、トモの入りが深くなったように、体の使い方を覚えてきたのが何よりで、柔らか味のあるフォームに磨きがかかっている。更に、追い上げが容易くなる1F延長での外回りに加え、ハンデは据え置きの53キロと好材料には事欠かない。


2勝クラスからはまず日曜・浅草特別のロザムール
決して向くとは言えぬ道悪での3着が前走。しかも、2着馬とであれば前に出られた分の差とレースの綾に過ぎなかったし、内から盛り返すといった勝負根性さえ。良馬場が望めそうなのが今週末で持ち時計がモノを言う状況なら強気に運んでもOKだし、5Fの入りがユッタリだった追い切りにしても、それだけ鞍上が手の内に入れ易くなっている証。そこから外ラチに触れんばかりのコース取りでラストが矢のように伸びての12.0秒。心身ともに充実してきた。


土曜12Rはカシノブレンド。前走が惜しい3着。
しかも、外々を追い上げる形で長く脚を使えたのが更なる収穫で、ラスト2週がBコースでの調整と半ば手探りだったことを含めれば価値が断然上がるし、今回は坂路で1回流してから広いポリでの追い切りと密度が格段に違う。その中でも1F11.9秒とシャープな動きを披露と勢いを得たのだ。
そもそも、それまでからすると合うとは思えぬ中山をクリア、高速ダートにも対応。その勢いに乗らぬ手はない。


ここからは平場戦で3歳未勝利を。ダート戦では日曜3Rのサクラトラジャー
直前は坂路での55.7秒と流した程度だったが、前週が秀逸。同世代の1勝馬の内にもぐり込む形で、当然ながら追走とビハインドが負った結果の1馬身遅れならアッパレ。始動が早くても全くピッチが上がらない過程だった初戦とは裏腹にビッシリ乗り込まれた成果が表れてきたということ。
また、初戦はゲートが遅くて向正から脚を使わなければならなかった。これは、砂を被って怯んだが為。2角まではレースに参加していないも同然だったのだ。そのケアーがチークPで集中力アップが目に見えている。潜在部分が露わになりつつある段階を迎えての一変を見込む。


芝では土曜5R。ここでの注目は初出走馬。経験馬に対する分の悪さを覆して余りあるラウドアンドクリアの素質を買う。
秋のデビューを目論んで一頓挫あったし、先月までは体を持て余し気味。しかし、メニュー強化に難なく対応できるほど体がシッカリするにつれ、洗練されたフォームに。
特に、ラスト2週では質の高い併せ馬にあって一歩も引かないどころか、重心を沈めてのラストで、身体能力に長ける1勝馬・キングスバーンズと渡り合ったのだ。無論、綺麗な捌きで芝の実戦なら更なる推進力が生まれる。

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柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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