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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2020年04月16日(木)更新

皐月賞・関東勢が2歳王者を脅かす

暮れ以来となるが、早くからここ1本に定めたコントレイルの完成度は極めて高い。
2戦目にして驚異的なレコードをマークしたかと思えば、初の中山にも動ずることなく、盤石の競馬で急坂何のその。バネとセンス、コース経験ありということで、例年なら追随は許さぬ存在だし、逆らうつもりは毛頭なかったであろう。ただ、迎え撃つ関東勢には稀に見る質の高さがある。こちらに凱歌が上がっても十分に頷けるほど。

ただ、黙ってはいない美浦勢。そもそものポテンシャル互角の有力馬のみならず、一発を狙う伏兵の存在も。
まずは、前走が衝撃的だった●●●●●●

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まだ緩い状態だった分、取りこぼした昨11月・葉牡丹賞を除けば底を見せていないのがダーリントンホール
仕切り直して臨んだ2月、決して向くとは思えぬ馬場になってもバランスを崩さずに勝負強さを発揮した点に非凡さが。ただ、それ以来となって少々パンチ不足といった過程、動きが気懸かり。大きく体を使えてはいるが、2頭の間を漸く割れた最終追いや格下相手に手古摺ったシーン先週など、スイッチオンまでに微妙な間があるのだ。将来はともかく、現時点では人気上位3頭に及ばぬ。

共同通信杯では激しい鍔迫り合いを演じての2着だったビターエンダー
相沢厩舎らしく5Fからハイピッチで飛ばす併せ馬が再三と熱心。ただ、態勢が整っているからこその5F68.8秒だった追い切りは先行態勢。チャレンジャーという立ち位置にしては迫力不足だったし、トモの入りが浅い分、徐々に加速といった特性を生かすには長い直線が必須なのでは。

他の特別戦はマイルに的を絞ってみる。まずは日曜・春興ステークスでニシノカツナリから。
昨4月、アーリントンカップで脚を余した挙句の骨折が如何にも痛かったし、トップフォームに至るまで時間を要したのは仕方ない。つまり、ひと間隔開いての今回と昨秋では状況が全く違うわけだ。現に、ユッタリとした造りになって帰厩した故に動きが実に伸びやか。その結果、1本目から一気に時計を詰めての5F65.5秒が直前で、6分処といった面を差し引いても痺れるような手応えに終始というのだから、既にスケールはOP級。
加えて、暮れの中山では上手く矯めを利かせた道中から桁違いの伸びを示しながらも余裕あっての1.34.0秒。コースを問わなくなったのは、意のままに動ける強味を身につけた故。同じく昇級初戦になるフォルコメンとの1点。


日曜・隅田川特別にも連勝を視野に入れた馬が。ここは、骨折明け2戦目になるゲバラで決まり。
半信半疑だった前走が独壇場。確かに、軟弱な相手だったとはいえ、3歳の早い時期に見つけた決め手は錆びついていなかったということ。今回、最も気になるのがその反動だが、1勝クラスだったからこそ緩めの稽古だったのに対し、リカバリーが早く、最終追いのウッドでも先行態勢ながら気合いをつけての5F67.3秒。順当に時計を詰められたことを上積みと素直に受け止めて良いのだ。軽く通過しなければならぬ。


ここからは福島。コロナ対策によって移動が制限される今週、東西が相見える舞台となる点で興味深い。日曜メインはリステッド競走の福島民報杯。昨秋・福島記念で4着に粘ったウインイクシードには一目置かねばなるまい。
乱ペースの中、二枚腰を見せたことに敬意を表すべきだし、中山金杯2着が地力強化の証し。ただ、状態をどうにかキープしているといった程度の追い切りでのハンデ増となると首を傾げたくなる。
それならばレッドローゼス
昨年の勝ち馬でそこからの2キロ増は楽ではない。ただ、直後からの頭打ちを脱っせんとする熱の入れように一票を投じたくなった。3月下旬の段階でも昨秋からの一連とは活気が違うと思わせていたが、ラスト2週で更なる迫力増し。直前に至っては前を追い抜かんと闘志むき出しに。結果、5F65.2秒と、すぐ後ろの組だったサトノフラッグに優るとも劣らぬほどで、これで結果が出なければ諦めもつくといった感じ。
唯一の4歳マイネルサーパスも当然ながら争覇圏。
こちらにはキャリアで劣る分、ハンデは手頃な56キロ。問題は脚の使い処が鍵になるという点、だから、坂や直線の長さ如何では注文が多くなるということで、そこでは安定味を欠く。が、機動力をフルに生かせるローカルならひと味違う。それを見据えた仕上げで、質の高い併せ馬を課せられても手応えには絶えず余裕と、西下を控えて控え目だった前回時とは雲泥の差。そもそも、2月からでは間隔が開いてしまう故の叩き台と見做せば、ここにきての唸りようには合点が行く。


同じ厩舎でそのパートナーを務めたリバーシブルレーン(土曜・川俣特別)には触れておかねばなるまい。
何せ、2馬身後ろに位置しての行き出しながら最後まで食い下がって、脚色はと問えば同じ馬なり。中身の濃さは言うまでもないし、華奢なイメージを覆しつつあるのは、ここに至る過程でDWでの1本目からして5F65.9秒をマークできていたことが示す通り。今までは適性の把握もままならないまま使い倒していた感が拭えぬ。対して、フラットなコースで小回りと持ち前の小気味良さを生かすには格好。体質強化がフォローになっての新境地開拓となりそう。


ここからは3歳戦で、同じく土曜・雪うさぎ賞のコミカライズを。
休養を挟んでのここ2走は中央場所の1400mということで、よほど前半で楽をしないと二束三文に。初勝利を挙げた距離ではあってもそこは新潟内回り。機動力のみで優位に立てたのとは違ったわけ。ただ、前回時でもそうだったが、持ち前のスピードを前面に押し出せるようになった調教といった点で成長が伝わってくるし、ラストが坂路といったパターンは同様でも2週前のDWでは古馬を相手に持ったままでの1F12.3秒。撓むような身のこなしで筋肉量アップの成果がダイレクトに表れていた。


中山は日曜6Rの1勝クラスで、ダノンファストが順当に勝ち上がる。
デビュー当初から垢抜けた馬体が目を惹いていた好素材。それが開花したのがダートへの転向で、何しろパワフルだし、緩急如何を問わぬ幅の広さを誇る。速い脚を欠く分、宝の持ち腐れだったデビューからの2戦とは別馬に。今回、冬場以来で計3本、速い時計は直前に1本のみだが、太目感は皆無だし、気持ちをコントロールするのが平素から難しいこともあってストレスを避けんとするメニューは理に適っている。にも関わらず、楽走といった印象での5F67.7秒とポテンシャルを裏づけるには十分過ぎるほど。
前に行ってのしぶとさが売りで前走こそが本来の姿だったキタノオクトパス本線というのが常識的だろうが、狙って面白いのがイマジナリーライン
持て余し気味だった前走を叩いて体の運びがスムーズに。元より、捌きが硬めながら力の漲ったフォームというのが如何にも砂向き。無論、古馬OPに食い下がってのラスト12.0秒、反応も違ってきた。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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