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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2020年05月28日(木)更新

良化急の関東馬、二冠に待った!

オークスに続き無敗の二冠馬、誕生なるや否やが最大のテーマになる日本ダービー。

その可能性を広げているのが皐月賞で、その結果はマッチレース。しかも、コントレイルは、昨11月の東京スポーツ杯2歳ステークスにおいて、1.44.5秒の快レコードを叩き出しているほどだから、コース替りがマイナスになろう筈ないし、好時計続出の目下ならなおさお。
ただ、皐月賞に関してなら、前半で窮屈な位置に嵌り込んだとはいえ、見渡せば前崩れといった様相。馬群の切れ目でスムーズに外に持ち出せたことも含め、残り4Fのみに限定すれば恰好の流れだったという側面も。また、余りに切れ過ぎるゆえ、2Fの延長がネックになるとしても突飛な空想とは言えまい。

そう仮定するに浮かび上がるのは・・・

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弥生賞で見切りをつけてのここ目標といった成果が見受けられるワーケアには注意を払うべき。
ラスト3週の併せ馬ではいずれも最後まで手を緩めるシーンなし。それに応えんと体全体をフルに使ったフォームには大物感さえ。コース替りで2歳時の輝きを取り戻して不思議ない。

同じく、府中替りということで俎上に載せなければならないのがダーリントンホール
2月以来となった前走は-10キロと萎んでの出走。それを踏まえた今回は、ボリュームアップが目に見える全体像だし、ラストの手応え、11.8秒で締めることができたように、立て直しが功を奏した。が、コース取りは内目で、大一番を迎えるにあたっての総合点とすれば首位争いといった立ち位置に及ばぬ。将来はともかく、成長度合いといった面にビハインドは如何ともし難い。

皐月賞のサトノフラッグは案外。しかし、トライアルで出し切った感もあって少々ゆとりのない過程を踏まざるを得なかった側面も。対して、運動量が極めて豊富ながら時計自体はセーブ気味と丁寧に仕上げつつ、最終追いに関してはシャープな捌きで5F65.8秒、上がりに至っては37秒ジャストと正に青写真通り。
2400mで更に、といったタイプではないが、決め手抜群の上に、初勝利が当コースでのレコード。高速ターフのフォローがあれば間に合って不思議ない。

ダービー当日の最終レースということで定着したのが目黒記念。GⅡとはいえ、ハンデ戦で下剋上が容易に成り立つ傾向にあるのは周知の通り。
それを念頭に置かねば、好調キープのミライヘノツバサになろう。
何せ、マッチレースを制したダイヤモンドステークスでは3着以下に5馬身と水を開けているほど。さすがにGⅠでは通用しなかったが、2月からの2キロ増しなど気にならぬほど相手のレベルは落ちているし、DWでの単走といつものパターンながら伸びやかなフォーム。

しかし、ここは4歳牡馬を主力に。まずはオセアグレイト
天皇賞をスキップしてまで臨んだメトロポリタンステークス5着は展開の綾に過ぎぬから。無論、そこでの仕上げには抜かりがなかった分、劇的な変り身があるわけではないが、3歳時より全体のバランス良化でストライドが一段の伸びるように。それは最終追いにも表れていて、1.0秒以上前を行くパートナーを瞬く間に抜き去ってのゴールと文句なし。昨年が示す通り、今の時期から昇り調子となるタイプ。それを踏襲しそう。
もう1頭の◎候補はボスジラ
阪神大賞典では4角手前の手応えからしてシーンなしと壁に突き当たった感。しかし、いきなりの別定GⅡ、初距離に初コースと経験不足が露呈しても仕方ない状況とエクスキューズはある。
何より、大飛びで元よりの府中巧者。今回は状況が全く異なるということ。更に、凄いのが調教の質アップで、メインをDWにして好時計連発といった過程を踏めている。これは身体能力がダイレクトに伝わるフォームに様変わりしたゆえ。
特に、最終追いなどは、すぐ前の組だったサトノフウジンを遥かに上回る迫力を伴ってのフィニッシュとひと皮剥けた。骨折明けだった昨年とは違う兄ポポカテペトルとの芦毛ラインは是非押さえておきたい1点だ。


土曜メインはOPの欅ステークス。素直に入るなら、当条件がベストになるミッキーワイルドか。
別定58キロにさえ目を瞑れるのは、根岸ステークス→フェブラリーステークスといった冬場より大幅に相手は落ちるし、初物尽くしだった前走が刺激になったと見込めるから。ただ、敢えてリュウノユキナ
単調な競馬からの脱却を図ってその効果が覿面。そもそも、左回りがよりスムーズだった上に、再ブリンカーだった前走では、逃げ切った馬を捕えんとする位置取りながら最後まで辛抱が利いたのだ。
さらには圧巻の追い切りがある。2組の2頭併せといった態勢の道中から3.0秒近く前を行く僚馬に向かってグングンと迫ると5F64.6秒でのフィニッシュが馬なり。道中で12秒台を刻んでも動じないラストだったし、前肢のかき込みが一段と力強くなったことで、素晴らしい前進気勢が。ハードな調教が実になっている段階でのOP3戦目。もうワンランク上を目指せるだけのレベルに達した。


他での注目もダート戦で日曜・薫風ステークスのサトノグラン
芝では頭打ちになっての関東移籍だったが、5Fから速いラップを踏んで負荷をかける田中剛流によって復活の兆し。前回同様、師自らが手綱を取った追い切りでは、先週から3.0秒以上詰めての5F66.4秒と斟酌無無用といった感じ。覚醒を促すには格好だということ。実際、力感溢れる馬体になって去勢効果が目に見えているのだ。
6歳春にしての初ダートだった前走では一旦は前に迫りながらもピタリ止まった。要するに、砂適性を示したと同時に、距離に対する限界も。元々、府中では芝2000mの快時計があって、そこでは決め手で他を圧した。広いコースのワンターン、メリハリを利かせることで新境地に。


続いては京都の3歳戦から。日曜・白百合ステークスのショウナンハレルヤを取り上げる。
オークスでは無念の抽選除外。反面、そこに向けてピークに持って行く過程を踏んだから、直後からは微調整程度で十分。とはいえ、張りつめた体を駆使してのラストは、12.5秒という数字以上の迫力で、首を上手く使えるようになった結果、推進力が増した。
そもそも、フラワーカップは落馬してもおかしくないほどの不利を受けたし、フローラステークスは大外枠に泣かされただけと、完全燃焼が続いた分、消耗も少ない。前走からの1F短縮は勿論のこと、前目で上手く捌いての快勝だった2月をイメージすれば良い広いコース。恰好の鬱憤晴らしに。


平場戦では土曜3Rのノーエクスキューズ
冬場の府中では強敵に食い下がっての連対確保と能力的にはリーチと考えて良い。問題はそれ以来ということになるが、最終追いでは3頭縦列の最後尾から最外に進路を取るハードルの高さ。にも関わらず、追うごとに脚を伸ばして1馬身差にまで迫った。
確かに、幾分余裕残しといった造りだが、皮膚が薄い点で新陳代謝が高まったと見受けられるし、昨夏・北海道デビューから秋に一頓挫と、ブランクが長かった前回時より密度の高い稽古を積めているのが何より。


最後が日曜1Rのストームファルコン
今回と同じ条件だった休養前は出遅れが全て。ただ、シッカリと脚を使っての0.5秒差だったから、噛み合わなかっただけなのだ。加えて、当時はポリ主体で、馬を追い込むようなメニューを課せられなかった。ゆえに、年明けの一叩きがあっても+4キロ。
対して、今回はラスト4本がオールDWと広いコースで存分に追えている。その成果が端的に表れていたのが直前で、格上に対して5Fで1.0秒のアドバンテージがあったとはいえ、最後まで持ったままで追随を許さぬ5F68.1秒。仮に、鞍上がアクションを起こしていたならば、66秒台突入まであったほどの勢いで実にダイナミック。また、凭れるシーンが皆無だった点でも進境著しい。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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