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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2020年08月06日(木)更新

レパードステークス、西高東低に待った!

小倉休催によって関西馬が大挙して押し寄せることになった2回新潟開催。先週などは3分の2以上の勝ち馬が栗東勢だったほど。それも今週でひと息つきそう。

メインは3歳のダート重賞、レパードステークス。当然ながら西からの遠征馬が有力処を形成している。特に、巻き返しを期すミヤジコクオウが注目の的。
5月・京都の鳳雛ステークスでは、後続に3馬身差の圧勝で、フラットなコースに対する適性といった点でも優位に立てる。
ただ、案外だったジャパンダートダービーには首を傾げざるを得ない。しかも、前回時との比較で稽古のピッチが上がっていない分、下馬評に反して良いでは。



それならば、デュードヴァン
2月に一頓挫あってからの立て直しがスムーズだったのは、青竜ステークス→ユニコーンステークスで結果を出せたことに表れている。加えて、体質面にネックを抱えている段階だから、ジャパンダートダービーをスキップした点にも好感が持てるのだ。現に、リフレッシュされての馬体は張りつめたといった印象だし、ひと追いごとに時計を詰めている過程も申し分ない。
特に、ラスト2週は連続して3頭併せを敢行。先週にOP入りを果たした4歳・ブランクエンドを大きく上回る5F67.9秒さえ。恵まれた体躯を存分に使うフォームには目を奪われた。
今回、初の1800mで、コーナー4回も未経験、戦法も限定されている。ただ、息の長い末脚が売りだし、追走に余裕が生まれそう。初重賞ゲットに限りなく近づいた。

再加速が成ったラインベックには敬意を払うべき。
何せ、ホープフルステークス4着が底力を物語っているし、発達した前躯が砂適性の証で、速い上がりタイムで着差以上の強さだったのが、初ダートだった前走の西脇特別。勿論、ハナに拘るタイプではないだけに、一連のGⅠで揉まれた経験を生かせる状況に。

先月の阪神・インディアトロフィーで3勝目マーク、ここ出走を確定させたのがライトウォーリア
精神面の脆弱さを一掃させたと思わせる味なレース振りだったから、3月・伏竜ステークス大敗で見切りをつけたのが功を奏したわけで、抑える形をマスターできたのが何よりだし、坂路でみっしり乗り込んで密度を高めている。
ただ、同じ鞍で4着と期待に反したバンクオブクラウズをより上位に。
そこでは、脚を矯めた故に、持ち味半減。つまり、長く脚を使うパターンを封印した故の自殺行為だったということ。一気の持ち時計を詰めた5月・京都で示した奥行きと進境ぶりを忘れてはならぬ。メリハリを利かせたレース振りでの一変を見込んで良い。

同じく、虎視眈々といった感じがテーオーケインズ
前走は出遅れが全てで、能力のほどはミヤジコクオウに先着した3月が示す通り。元々、マイル以下での巧みなレース運びがあるわけだから、器用さを求められるローカル向き。また、控え目な直前だった前回に対し、6Fからの併せ馬を繰り返せたように、質アップが明らかな点も心強い。

特別戦ではまず土曜10Rの高田城特別から。ここはコパシーナが面白い。



昨11月からの連勝があったわりに、ここ2走の3歳OPでは着順だけ見れば尻下がり。しかし、被せられると脆いタイプだし、前走などは前後半差が2.5秒に近い流れ。前が呑み込まれるような展開で、守備範囲外のマイルだったのだ。適性に問題があった上に、自らレースを投げた故の大敗がきっかけになるはず。
何故なら、中間から着用したチークPの効果で集中力が大幅にアップしたから。それだけでなく、帰厩後のDW1本目がその5F65.7秒。ハロー明けだったとはいえ、放牧先での調整が思い通りに進んでいたのは想像に難くない。素質を開花させるのには格好の条件替り。

日曜9Rの驀進特別は2勝クラスの直線競馬で、ここはアゴベイ
昨9月の2勝目マークが1.07.2秒。ここに非凡さが表れていると同時に、夏場と軽い芝できっかけを掴めると見做した。
現級では頭打ちといった状況だが、今春の2戦などは終い重点のBコース追いと、全体的に萎んだ印象だったように状態面に尽きるわけ。逆に、リフレッシュしての臨戦で、広いDWが主体と今回は中身が違うし、実際にダイナミックなフォームが蘇った。無論、速さを存分に生かせる当舞台にも大きな可能性を感じている。

同じ短距離でもダートの1勝クラス、日曜7Rはケイアイピハ
4月・府中では9着と見せ場なし。が、直前の1本だけで態勢を整えるといった過程が堪えたし、デビュー戦と180度違うハイペース。久々ながらのマイナス体重ではやむを得なかったということ。
それを踏まえた今回は軽いところを入念に繰り返した結果、丸味を帯びた体に。それを目一杯駆使しての3頭併せが、最後尾の道中からラストでは糸を引くような伸び。完全復活に向けて待ったなし。

日曜12Rの1勝クラスもリフレッシュ効果がダイレクトに伝わってくるラパンセソバージュを。
昇級初戦の5月には押し出されるようにハナといったシーンがあったように、チグハグ。とはいえ、1.32.1秒の決着にあっては恥じることなどないし、弾力性に溢れる本来のフォームを取り戻したのが何より。
特に、ラスト1Fでパートナーを4馬身置き去りにした最終追いは、現級のレベルを遥かに超えている。早目のスパートと荒削りな面を残したままでの圧勝だった2走目に新潟向きの決め手を感じるし、それが凝縮されるであろう1F短縮。鮮やかな抜け出しを演じるに違いない。

ここからは相沢厩舎を取り上げてまずは日曜8Rのエドノフェリーチェ
昇級初戦の函館では惜しくも2着。これは、逃げ馬の巧みなレース運びに対して分が悪くなっただけで、自身が上がり最速。しかも、稽古で見せる軽快な動きがアピールポイントなだけに、湿った馬場でも末脚に翳りがなかったということで、地力強化は明らか。
デビュー時からチークP着用といったほど走りが安定していなかった馬が、レースを覚えてフル回転となったわけ。勿論、左回りの高速ターフがピタリなのは、春の府中が示す通り。遠征後にも関わらず、シッカリと併せ馬を消化できている点でも充実期に突入といった結論に。

もう1頭が日曜1Rのサンキューベイリー
態勢を整えていたデビュー戦は案外な伸び。唯、速い脚を使えるタイプでない分、消極策で最後には前と脚色が同じになってしまった。要するに、持ち味を封印させたレース運びが仇に。直後にリセットして小回りの福島スキップして入念な併せ馬を重ねたのが何よりだし、バックストレッチ、直線ともに長い当舞台はピタリ。
また、1週前には先述エドノフェリーチェと併せてこれに余裕の手応えと動きが洗練されたのだ。その1F12.5秒は数字以上にシャープで、一度レースを経験しての変り身といった点が能力の裏づけにもなっている。

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柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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