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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2020年09月03日(木)更新

新潟記念は、堀厩舎2騎と復活なった牝馬に注目!



ロングランだった今夏の新潟、掉尾を飾るのはサマー2000シリーズの最終戦にも当たる新潟記念。ハンデ戦で切り口が多様になる上に、新旧入り混じるということで例年以上の難解さが伴っている。

その中で鍵を握るのが唯一の3歳ワーケア
GⅠ3着の実績を持ち合わせているだけに、札幌からルメールが駆けつけるに相応しいということ。
ただ、一気に時計を詰めてくると期待した追い切りが5F68.8秒でお釣りなし。良い意味でズブさが出てきたと捉えられないでもないが、上滑りといった感じのフォームがどうも気になる。少なくとも、同じダービー以来でここを制した一昨年のブラストワンピースほどの手応えを感じないのだ。53キロでも抑え程度か。

堀厩舎の2騎は同じ時間帯でともに単走。まずは昨年が惜しい2着だったジナンボー
今季は、小倉大賞典での3着が最高と案外。しかし、4月のGⅠで0.5秒差と2000mに対する適性を改めて見せつけたし、七夕賞は馬場に泣いただけと考えれば巻き返す余地あり。しかも、前2頭を抜き去った1週前には最後までビッシリ追っての5F66.3秒と迫力◎。前走が叩き台に過ぎぬのでは、と思わせるほど。許容範囲の56キロと見做すべき。

前開催の最終週にOP入り、その後は単走のみだし、直前も5F71.0秒と控え目だったサトノダムゼル
ただ、実に滑らかな身のこなしで全身を余すことなく使えているのが何より。つまり、当初の予定が大きくずれ込んだ前走が8分程度。そこでの安定した取り口がポテンシャルの証だし、さらに活気を呈しているのが目下。相手強化は承知も新潟は【2-0-0-0】と得意中の得意で、全体のキャリアからも底を見せていない。◎候補に。

デキに太鼓判を捺せるもう1頭がゴールドギア
OP入り直後の目黒記念が5着だったように、どちらかと言えばステイヤーといった印象が。ただ、長く脚を使えていたのは確かで、直線の長い新潟外回りが似合いそう。
加えて、以前はトモの入りが浅く、如何にも平坦向き。そこに厚みが出た分、ひと回り大きく見せている上に、バランスに秀でてきたのだ。結果、好時計連発といった中間があるし、控え目だった最終追いにしても5Fで1.0秒追走して外に進路を取る中身の濃さ。一度走った3歳時の当コースでは2着で33.7秒の上がり最速をマークした。2000mでの決め手比べでヒケを取らぬといった根拠になり得る。

関西馬でまず取り上げなければならないのがカデナ
先に挙げたジナンボーとの比較で直近ということなら大阪杯で先着しているし、昨年の当レースでは3キロ重いながらも0.3秒差。それも、当時は函館→小倉、挙句が新潟と消耗した状態だったのだ。6月で見切りをつけてのここ目標といった今季は違う。
ただ、58キロのトップハンデが足枷になる恐れまでは打ち消せない。



小倉記念のワンツーが揃って参戦といった点も盛り上がる要素に。そこではローカル巧者ぶりを見せつけて鮮やかに抜け出したアールスター
大金星を挙げた反面、2キロ増が堪えないわけはないし、ソツなく運ぶには小回りといった設定が必須にも。信頼度は低い。

それならばサトノガーネット
道中で脚を矯められたのは確かだが、短い直線を克服したのだ。斤量据え置きでの左回りは格好に。要するに、仕掛けを遅らせての弾け方が尋常でなかった昨12月の中京をイメージできるではないか。使い込まれた最終週の芝ならペースが落ち着いても間に合うだけの破壊力に賭ける手も。

取捨微妙なのが七夕賞で進境ぶりをアピールしたブラヴァス
漸く花開いた良血馬で、馬場悪化と出入りが激しいタフな展開に晒されても動じなかったのだからフロック視すべきではない。
けれども、完璧なレース運びだった今春の新潟大賞典では水を開けられての4着。長い直線でアクセントを利かせるのが難しいといったタイプでは。

土曜メインは3勝クラスのマイル戦・長岡ステークス。
追い切り前はロフティフレーズ◎と決め手いた。が、先月の除外で再調整を強いられたところまでは想定内だったにしても、一旦緩めた上での実質1本で、それが単走での5F70.9秒。前向きな気性だけに、マイルは守備範囲だし、体を造ることに手間いらずといった面をプラスに考えても不安は消えない。
1.32.7秒での2勝クラス突破でひと皮剥けた感のあるサトノウィザードの下馬評が高いのは頷けるし、昨年2着のアガラスは力の籠った身のこなしで仕上げに抜かりなし。常識的には二者択一になろうが、狙って面白いのはレッドベルディエス
道悪となし崩しといったレース運びが如何にも堪えた6月には目を瞑れるし、軽い芝での決め手に秀でるタイプと条件替りをきっかけにできる。
しかも、胸前が充実しての帰厩だった今回は別馬と見紛うばかりで、その成果が再三の併せ馬に表れている。特に、輸送を控えていても3頭併せ消化といった追い切りには並々ならぬ意欲を感じるし、大きく体使えている分、尋常でない推進力が伝わってきた。牝馬らしく新陳代謝が活発になる夏場にピークを迎えるタイプではないか。

他の特別戦では2勝クラスからで、まずは日曜・飯豊特別のトロワマルス
上の世代に混じるのは初になるが、前目には辛い流れだった5月・葵ステークスで0.5秒差に踏みとどまった。つまり、自己条件なら優位に立てる下地はあるわけ。
加えて、今回のリフレッシュで心身ともにドッシリとした印象に。無論、単走の繰り返しで丹念に仕上げた挙句の最終追いは、同じ2勝クラスの古馬に対して圧倒的に優勢。何せ、行き出しで2.0秒以上の差をモノともしない手応えに終始したのだ。これは、コントロールが利いて、合図とともに反応できるようになった故。余力綽々だったデビュー勝ちが当地だったことも後押しに。

土曜・弥彦特別は、先々が楽しみなデュアライズ
4歳夏とはいえ、デビューが遅かっただけに、上昇余地を大きく残しているし、元々が速い上がりのレースに滅法強いタイプと新潟適性◎。しかも、休むごとにそれに磨きをかけているのだ。現に、最終追いこそ行き出し4Fの終い重点だったが、それまでにはビッシリ追っての5F65.9秒まであるほどで、鍛錬の度合いをアップさせてきた。長丁場に見切りをつけたことで方針が定まったのも心強い。
昨10月の府中でデュアライズとの2着争いを制したキタサンバルカンをライバルと見做すのが妥当かも。ただ、本線は敢えてシャドウアイランド
転厩を境に眠っていたパワーが蘇ったようで、今春から再加速。しかも、格上相手の最終追いが示すように、今回の休養で更にレベルを上げてきたのだ。元より、研ぎ澄まされた体のラインに非凡さを感じさせていた馬。当クラスで頭打ちなどということはないポテンシャルの持ち主。

平場戦からは2歳未勝利を。日曜1Rのレガトゥスを狙い撃つ。
6月のデビュー戦は6着。が、大型馬でパワーがある反面、脚長でバランスを保つには厳しい馬場が如何にも痛かった。加えて、絞ることをメインに長目追いを含めた過程に期待度が表れていた反面、オーバーワークといった側面も否めず。
対して、ストレスを避けた丁寧な仕上げとパターンを変えたし、その成果が直前の3頭併せに。そこではラストまでセーブ気味ながらシッカリと脚を伸ばして他2頭に1馬身先着。それも先行した外の姉、スカイグルーヴに対してだけでも性能を見せつけたのだ。シックリと構えても間に合う外回り、現状ではベストに思えるフラットな新潟で仕切り直す。



柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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