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競馬コラム

柴田卓哉:美浦追い切りレポート

2020年11月12日(木)更新

ハイレベルな女王決定戦に"前進必至"の特注馬が!

暮れまで続くGⅠシリーズの再開幕は、阪神が舞台になるエリザベス女王杯。混合戦になっても性別がハンデになるどころか、牝馬優位が続いているのは周知の通りで、当レースも以前とは比較にならぬほどのレベルアップぶり。馬券妙味も十分ありそうな一戦だ。

レベルの高さを示す最たる存在がラッキーライラック
当然だ。今春には大阪杯を制覇しているほど。問題は、前哨戦との間隔が開いていることであり、そこで取りこぼした点。ただ、夏場の始動というのは、2歳のデビュー時のみと、ルーティーンではなかったし、キャリア初の現地調整。ある意味、乱暴な使い方だったわけだ。
栗東に腰を据えての調整で6F追いが6本に及ぶ入念さがあれば、連覇に手が届くまでになったとして良い。晩成で未だに進化の真っ只中といった心強い材料もある。

成長といった点なら・・・

柴田卓哉のエリザベス女王杯・特注馬3頭は
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昨年をピックアップするのであればセンテリュオ
脚の使い処が難しい分だけ安定味には欠けるが、昨年のこのレースでは一瞬でも先頭を窺うシーンがあったからだ。
しかも、展開利に乗じたとはいえオールカマーで下した相手はカレンブーケドール。仮に、それがここ出走となったなら、◎もあり得るといった比較からも評価は一層高まってくる。待機策で開眼したと受け取れば、既存のグループにとって煩い存在に。

斤量利がある3歳には一目置かねばならぬ。そこからはソフトフルートということになろう。
初勝利が5戦目だった反面、軌道に載ってからが凄い。特に、出遅れて位置を取れなかった秋華賞は距離不足。そこでの挽回は地力強化以外の何物でもないし、同じ内回りとはいえ、1F延長は大きなプラス。仕掛けのタイミングひとつでの番狂わせが視野に入った。

逆に、ウインマリリンは少々苦しい。
オークスでの立ち回りやしぶとさは能力のなせる業。ただ、外目で負荷をかけた上でのキビキビした身のこなしだったにしても、目を瞠らせるデキは前回時も同様。上積みといった点で疑問符がつく。

12月、中京でのGⅠを見据える組にとっての前哨戦になるだけに、実力馬揃いとなった武蔵野ステークスは土曜。何と言っても主役たる資格の持ち主はモズアスコット
南部杯は、馬場を意識するあまり勝ち馬の目標に。展開の綾で落としたと決めつけて良いわけ。即ち、ダートに転じた2戦目のフェブラリーステークスを含め、ワンターンでは瑕疵なし。鞍上も2度目となれば矯めを利かせる競馬でのエンジン全開を目論んでいるだろう。59キロでも恥ずかしい競馬はできぬ筈。

ただ、2キロ差のアドバンテージでタイムフライヤーに傾く。
こちらもダートに転じたのが昨夏と底が割れていない段階だし、昨年の2着馬。加えて、フェブラリーステークスでは1000m通過58.7秒と差し馬天国になる中、5着に踏みとどまったほどなのだ。
また、以前は対応できなかった小回りで自在に動いて後続との力量差を見せつけたのがここ2走と着実に幅を広げているのは心強い限り。

あとは、6歳秋を迎えても自慢の末脚に翳りなしのサンライズノヴァ。それと同様にプロキオンステークスでインパクトを残したエアスピネルが続く、といった様相だが、3歳馬も侮れぬ。
レパードステークスをレコードで圧勝したケンシンコウを軽く扱うわけではないが、それ以上に魅力的なのがデュードヴァン
夏・新潟は1.49.2秒で決まった特殊な馬場に翻弄されただけ。何より、そこでのリセットで成長を促されたのが大きい。バランス的に前が勝った感じで、そこの掻き込みが推進力を生んでいたのに対し、丸味を帯びたトモが示す通り。全身から発するパワーで伸びるといったフォームに。
故に、ラスト2週の併せ馬ではいずれも追走しながらラストまで無理のない体の使い方で余裕綽々。少々置かれる憾みはあるが、マイルでの決め手はピカイチで、限界を知らないほどの適性ぶりを示してきたではないか。◎まで考えて良い。

最終週を迎える福島は、開催唯一の重賞となる福島記念。
ひと筋縄にはいかぬハンデ戦のGⅢとはいえ、やはり適性を命題にする上で重要なのは春、夏の当条件になろう。殊に、七夕賞で厳しい流れに晒されながら5着に残ったウインイクシードが面白い。
再スタートに選んだ札幌は守備範囲を超える距離だっただけに目を瞑れるし、美浦入りしてからのデキには目を?くほど。硬さが全く見られえなくなった故に、体を大きく使えているからで、それが為に北のダートコースをメインに調整を進められるわけ。
その効果を垣間見たのが1週前の芝コースで、同じOPを2.0秒近く追走する6Fスタートでの目一杯、1馬身遅れながら、以前を遥かに上回る力強いストライドを披露と強烈なインパクトを残した。
元々、脚元の不安で1年のブランクがあった分、成長が遅々として進まないといった経緯が。晩成で今からが旬と思わせるデキに賭ける。

同じ福島、日曜の最終レースで取り上げるのはヴォイスオブジョイ
使い詰めが全く応えぬタフネスぶりが稽古に表れている。西下直後でも1週前にはリズミカルな動きに終始しての好時計があるし、同じく単走だった直前の5F追いにも活気が溢れていた。と同時に、位置を取りに行くと切れが鈍る面がなくなったのだ。
中京→京都で上位に加わった事実がそれを物語っているし、少なくとも、この開催の五色沼特別よりは質の高いメンバーであった。元々がローカルで実績を重ねてきたタイプで、コース替りが功を奏するのは間違いない。

東京に戻って平場戦からは土曜12Rのプレトリア
なし崩しに脚を使う面が解消されたのが何より。また、シッカリとした骨格で四肢に力が籠ったフォームと砂替りでの躍進が見えている。実際、初ダートだった5月にはマイルでの1.37.2秒。当時はひと息入って体が緩いままでの臨戦だったにも関わらず。
対して、入念な併せ馬の繰り返しがあっての直前は3頭併せを敢行とハリが違ってきたが為の中身の濃さ。1馬身遅れとはいえ、大きく追走した道中でコントロールが利かせて弾けさせるといったメニューを難なく消化できたのだ。心身ともに充実した故で、去勢の効果が漸く露わに。

2歳戦からは新馬戦をピックアップして日曜6Rのキョウエイアップを。
幾らか地味な血統だし、勢司厩舎だけに目立つ時計なし。しかし、10月の始めから熱心に乗り込まれた効果で、ひと追いごとに洗練されている点にセンスを感じる。
加えて、若駒とは思えぬ豊富な筋肉量と、そこから生まれるパワーを自然体で推進力に繋げているのだ。現に、既走馬相手だった追い切りでは相手を窺う余裕があっての1F12.5秒。追っての味が伝わってくる動きで、直線の長い府中で躍動する様が目に浮かぶよう。

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柴田卓哉

SHIBATA TAKUYA

学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。

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