阪神開幕週は京都記念がメイン。
内回りになるとはいえ、例年通りの2200mであるから、大幅な条件変更と捉えなくても良いのでは。その中で支持を集めているのは紅一点ラヴズオンリーユー。
4歳時の飛躍が叶わなかったのは、春にドバイへのカラ輸送があった上に、高速決着のヴィクトリアマイルが始動戦と厳しい状況下の上半期があった故。とはいえ、立て直した鳴尾記念に関しては取りこぼしが許されぬ相手であり、エリザベス女王杯で弾け切れなかった上に、暮れの有馬記念は底力といった問題が関わっての10着。つまり、オークスまでの4連勝とは裏腹に、成長力に疑問符がつくわけ。人気に逆らうのが無謀とは思えぬ。
主力は牡馬で、まずはモズベッロ。
ラヴズオンリーユーと同じように有馬記念では振るわなかったが、こちらは仕上り途上。現に、ひと叩きでのスイッチオンを実感できたアメリカJCCでの0.4秒差があるではないか。そこでは、一気にペースアップした地点からの追い上げと少々チグハグだったのに加え、1F手前で進路を確保できなかったアクシデントまで。
そのメンバーに比べれば同じGⅡでも今回は落ちるし、遡れば宝塚記念3着といった勲章さえ。それと同じ舞台なのだから尊重するのが自然の成り行き。
もう一方の雄はワグネリアン。
休養前には3.3秒も退く案外な結果。勝ち馬以外は全て上がり37秒を超えるタフな流れの中、逃げ馬を深追いする形が応えた部分もある。が、重い馬場が足枷になるタイプではないから、懸念されていたノドが全てとして良い。
したがって、その手術ゆえのブランクであれば、そこからの上積みというか、復活を期す一戦に。そもそも、昨夏からでも高みを目指しての連戦があって大阪杯までなら崩れてはいない。その一連を引き下げてとなれば大威張りできる。
関東から唯一のエントリーとなるジナンボー。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。