大阪杯に向けた前哨戦のわりにGⅠ馬不在で、例年に比べるとハードルを下げて組み立てざるを得ない中山記念。
つまり、中山金杯制覇から更なる高みを目指すヒシイグアスでも十分に間に合うメンバー構成だということ。
道中のプレッシャーを跳ね返す辛抱強さが加わっての3連勝。これは胸前が逞しくなって身のこなしがスムーズになったという、体力面の進歩も手伝っている。何せ、外から被せられる形を強いられ、踏み出しの遅れがあっても豪快に伸びた前走を本物と見做せるからだ。
加えて、ここを目標に据えた過程を踏んでの併せ4本消化。ひと追いごとに洗練された結果の直前は、5F69秒を切る時計と堀厩舎にしてはテンションが高かった。無理をしたわけではなく、自然体でのタイムだけに、目下の充実ぶりには目を瞠る。
しかし、同じ中山金杯組ということならウインイクシードにより大きな魅力を感じている。
中山金杯は、ラップバランスとは裏腹に前目で脚を使わされたクチには辛いレース。しかも、福島記念からのスタートで中身が最も濃いのが今回。同格との併せ馬だった1週前でも十分と思えたのに、最終追いでは外目を選んだ3頭併せでラストまでビッシリと鍛えに鍛えた。間隔が詰まった為に北馬場で感触を確かめる程度だった年明けとは雲泥の差といったわけ。位置を取りに行くのに無理が生じる1800mでも◎候補に。
関西勢でまず挙げなければならぬのがバビット。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。