裏開催扱いになる春・中京だが、2週後に高松宮記念を控えている上に、今週の金鯱賞には昨年の三冠牝馬登場と話題に事欠かない。
そのデアリングタクトは、当然ながら他の追随を許さぬ。
同世代に敵なしといったデビューからの5連勝があったし、当時考え得る最高のメンバーだったジャパンCでも際どい2着争いを演じたほど。
しかも、オークスとは180度違うタイトな流れの中、同じ3歳の牡馬コントレイルとであれば、意図せずとも結果的にはこちらがマークされる形の道中ながら、だ。ラスト1F過ぎから内にモタれたのは、経験値ゆえで左回りに大きな瑕疵があるとは思えぬ。
問題は仕上りだが、CWでの長目追いを繰り返して坂路でフィニッシュというのは定番で、今回もそれを踏襲したのと同時に、最終追いの52.9秒は自己ベストに0.1秒差。更なる飛躍が見込めるレベルに。
ライバルたる資格があるのはキセキと思われがち。
しかし、オーバーペースだったジャパンCを始め、レース振りにムラがあるのは否めぬ。1月下旬からの始動とはいえ、本来ならタダ貰いだった筈の京都記念をスキップした辺りにも不安を感じる。
以上を踏まえれば、大本命から厚く配分するのは関東馬。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。