3歳牝馬の第一関門、桜花賞の雰囲気はソダシ一色。
遠目からでもそれと分かる白毛といった特殊性とともに、デビューからの4連勝と実績も既に申し分ないからだ。
阪神ジュベナイルフィリーズ以来となるローテは、数年前と異なり、間隔を開けて臨む現代の桜トレンドにもなっている。
実際、早目の栗東入りで本格始動が先月4日。2歳暮れより追い日だけでも2週も余計に乗れている中には、自己ベスト更新の坂路51.8秒が含まれているほど。
何より、絶好位を難なくキープできるセンスに、差し返した前走が典型例と言える勝負根性。最右翼に位置しているのは間違いない。
しかし、ここでは敢えてサトノレイナス。
こちらも暮れ以来で、そこでは僅かに競り負けて涙を呑んだ。しかし、10月までの2戦はリズム重視と半ば遊び遊びだったのに対し、GⅠではソダシをマークする道中と位置を取りに行った結果、直線では外に持ち出せぬまま。つまり、未経験の形になっても弾けたように、底力が半端でないわけ。
さらに強調できるのは、そこからの成長力。
無駄が削ぎ落とされて流線形に様変わりしたと同時に、元からの弾力性溢れる筋肉には惚れ惚れする。それが数字になって表れたのが1週前の3頭併せで、先頭から1.0秒以上の差をアッサリ覆しての5F64.7秒が凄かったし、控え目だった直前でもリズミカルな身のこなし。快進撃が続く2歳女王逆転を視野に入れた。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。