三冠に向けての第一関門となる皐月賞、どのステップレースに重きを置くかで組み立てが大きく異なってくる。
まずは弥生賞ディープインパクト記念組からで、その覇者はタイトルホルダー。
確かに、マイペースの逃げ、というより1000m通過62.6秒の一人旅だったから恵まれた。しかし、2歳時のように行く気になるとセーブするのにひと苦労といったシーンが稽古で見られなくなった。つまり、基礎体力アップゆえに操縦性が高まったわけ。その成果があってこそ、単走ながら直前でもDWで追えるように。つまり、初めてダノンザキッドを負かしたことをフロック視するのはどうか? マークはタイトになるだろうが、軌道に載った点を素直に評価する手も。
そこで一本人気に反する3着だったダノンザキッドの巻返しは必至。
先を見越しての仕上げだったし、反動が出ないように回ってくるといったテーマに思えたからだ。そもそも、デビューからの3連勝は洗練された立ち回りに加え、勝負強さがあればこそ。勝ちに行く競馬で結局は力で捻じ伏せたホープフルステークスを振り返れば、コース適性に関しても文句なし。
また、放牧帰りから実戦までの調整パターンは判で捺したよう。仕上げのツボを心得ている上での叩き2走目となれば、真価発揮と捉えて良いのでは。
とはいえ、その上を行くと思えるのがエフフォーリア。
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柴田卓哉
SHIBATA TAKUYA
学生時代は船橋競馬場で誘導馬に騎乗。競馬専門紙『1馬』在籍時には、 「馬に乗れる&話せるトラックマン」として名を馳せる。 30年以上にも渡りトレセンに通い詰め、 現在も美浦スタンドでストップ・ウオッチを押し続ける。 馬の好不調を見抜く眼に、清水成駿も厚い信頼を寄せる調教の鬼。 また東西問わずトラックマン仲間たちとの交友関係も広く、トレセン内外の裏情報にも強い事情通。